【実際に購入レポート】ポルシェ・タイカンの長期テスト(15)常磐ホテルにアウディ純正8kW充電器/タイヤとトラブル

公開 : 2023.06.12 14:21

AUTOCAR JAPANの笹本健次編集長のポルシェ・タイカン購入レポート。常磐ホテルにアウディ純正の8kW充電器が設置された報告と、交換するタイヤについてお届けします。

常磐ホテルにアウディの充電器

今年の2月頃、ポルシェの8kWの普通充電器の装着を担当していた方から連絡があり、常磐ホテルにアウディ社の8kWの充電器の設置を勧められた。

設置の条件はポルシェとほぼ同様であり、設置費用はアウディ社が負担し、設置後はアウディ以外の車両にも充電を開放してほしい、そして、充電に係る電気代は旅館側で設定する、ということであった。

常磐ホテルにアウディ社の8kWの充電器が設置された。ポルシェ2基、アウディ2基の合計4基が設置された。
常磐ホテルにアウディ社の8kWの充電器が設置された。ポルシェ2基、アウディ2基の合計4基が設置された。

当館ではアウディ車での来館はかなり多く、今後は、eトロン(電動車)の使用も増加すると予想されることから、従来から設置されていて、既に減価償却が終わっている3kWの充電器を撤去し、その跡に、アウディの充電器を2基設置することにした。

設置作業は5月末日に完了し、早速タイカンで充電を行ったが、何の問題もなくスムーズに充電できた。これで当館にはポルシェ2基、アウディ2基の合計4基が設置されたため、当面のEVの需要増には対応できそうである。

実は、この設置の過程で、アウディ社は今年度中に100基以上の8kW充電器を全国のゴルフ場や宿泊施設に設置する計画である、と聞いた。

それなら、今、全旅連が行おうとしている全国の宿泊施設の充電インフラの整備計画にピッタリ合致すると思い、両者のお引き合わせを行った結果、5月14日付けのプレスリリース「アウディ 全国旅館ホテル生活衛生協同組合連合会と協力事業を発表」が発表された。

今後は、順次全旅連傘下のアウディに相応しい施設に8kWの充電器が設置されてゆくことになろう。無論、傘下の施設1万5000軒の数からすれば少ないが、まずは第一歩を歩んだことになる。

これを手始めとして、全国の宿泊施設に充電インフラを一刻も早く整備してゆくのは、EVの普及にとっては必須の事であろう。

しかし、充電料金が高額であったり、仕組みが複雑であったりするのは、ユーザー目線ではなく、将来的には難しいと思う。我々は旅館側がコントロールできるシンプルな仕組みを進めてゆきたいと思っている。

1年3か月経過 タイヤとトラブル

さて、購入から1年3か月が経過したタイカンは、走行距離が2万km近くまで達した。正確には6月1日時点で1万9472kmを走破している。

先回、3月の報告から5000kmあまりの距離が増加したが、この間、初めて、トラブルと言える症状が発生した。システムオンの際、ナビが初期化せず、画面が出てこないというトラブルである。

購入から1年3か月が経過したタイカンは、走行距離が2万km近くまで達した。新車時からのグッドイヤー製のタイヤが限界となってきた。
購入から1年3か月が経過したタイカンは、走行距離が2万km近くまで達した。新車時からのグッドイヤー製のタイヤが限界となってきた。

この時、都合が悪いのは、ナビとETCが連動しているので、ETCレーンを通過できなくなることだ。すぐに、ディ―ラーの担当に電話し初期化の方法を聞いたが、やってみるとなかなかうまくゆかず、決局、中央高速のパーキングで10分以上休んでいるうちに治ってしまった。その後は、この症状はでていない。

この症状への対策ソフトは出来ているようなので、次回の点検の際には修正できるだろう。

流石に2万kmもの走行距離になると、新車時からのグッドイヤー製のタイヤが限界となってきた。現在、リアが3分山、フロントが4分山程度で、もう交換の時期である。

最近の幅広タイヤはなかなか在庫が見つからないと聞いていたが、実際に探してみると殆ど在庫が無いことが判った。ポルシェ用のNマークのタイヤで、フロント265/35ZR21、リア305/30ZR21サイズはグッドイヤー、ピレリミシュランしかなく、その中で、現在、比較的短期間で手に入りそうなのはこれまでと同銘柄のグッドイヤーであったが、これまでがとても良い感触であったので、引き続き使用したいと思っている。

暖かくなり、1回の満充電での走行可能距離はかなり復活してきている。2月1か月の平均走行可能距離は337.5kmであったが、5月では390kmまで戻ってきた。因みに昨年の6月の場合は382.3km、8月は最も長く418.3km(最大値は434km)であった。

カタログ上の走行可能距離は463kmであるから、夏場の数値は実用として悪くないと思うが、冬季に80%ほどに減少してしまうのは、EVの特性とは言え、やや辛い。

次回は延び延びになっていた1年点検の状態とタイヤ交換の結果を報告したい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    笹本健次

    Kenji Sasamoto

    1949年生まれ。趣味の出版社ネコ・パブリッシングのファウンダー。2011年9月よりAUTOCAR JAPANの編集長、2024年8月より総編集長を務める。出版業界での長期にわたる豊富な経験を持ち、得意とする分野も自動車のみならず鉄道、モーターサイクルなど多岐にわたる。フェラーリ、ポルシェのファナティックとしても有名。

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