英国のスピード違反事情 罰金額は収入で変わる? 保険や免許証への影響は

公開 : 2023.07.01 18:05

英国の道路を運転する前に知っておいてほしい「スピード違反(速度超過)」について紹介します。さまざまな種類のスピードカメラ、罰則の内容、そしてちょっと興味深いスピード違反のトリビアをまとめました。

英国でスピード違反をするとこうなる

今回は英国における交通違反、特にスピード違反について紹介したい。

かつて、スピードカメラが存在しなかった時代、免許証に裏書き(現在では加点ペナルティとして知られている)が付く可能性が最も高かったのは、制限速度を超えて走行しているクルマに「スピードガン」を向ける地元警察官を見過ごすことだった。デジタル技術の進歩により、今やドライバーはさまざまな装置に直面している。

英国を運転する前に知っておきたい「スピード違反」について紹介する。
英国を運転する前に知っておきたい「スピード違反」について紹介する。

どうやってスピード違反がバレるのか?

現在の英国の道路には、さまざまな速度検出技術が導入されている。最も一般的なものは、下記の通り。

【Truvelo】
英国のすべてのスピードカメラは、法律で明るい黄色に着色することが義務付けられており、Truveloも例外ではない。Truveloは、一般的に一車線または二車線の道路脇のポールに取り付けられ、前面カメラで速度を記録し、道路に描かれた小さな四角のマトリックスで速度の二次証拠をおさえる。オートバイのナンバープレートは前面に装着されていないため撮影が困難だが、Truveloは他の車両のドライバーを特定できるため、起訴する場合にさらなる証拠として利用することができる。さらに最近では、高速道路用のTruvelo D-Camが登場し、前方および後方からの撮影が可能になっている。

車両正面から撮影するもの、背面を撮影するものなどさまざまな装置がある。
車両正面から撮影するもの、背面を撮影するものなどさまざまな装置がある。

【Gatso】
ほとんどの英国人がその名を知っているGatsoは、1991年に初めて採用された後方カメラで、カメラユニットを通過した車両を記録し、2枚の画像を連続して撮影する。Traveloと同様、路面に描かれた「ダッシュ」によって速度を示す二次的証拠をおさえる。このダッシュは、カメラに隣接する道路の両サイドにあるが、Gatsoはカメラが向いている方向の速度しか記録しない。

【SPECS】
SPECS(平均速度検査カメラおよび速度取締り)ユニットは、2台のカメラを利用して、一定距離の速度を測定する。道路工事中や通常より低い制限速度が設定されている場所でよく見られるもので、自動ナンバープレート認識(ANPR)機能を使って車両を識別する。1台目のカメラを通過すると、車両の詳細が記録され、2台目のカメラに到達するまでの平均速度が設定された閾値を超えると、起訴予告(NIP)が自動的に生成される。

【HADECS 3】
高速道路管理局デジタル取締りカメラシステム3(Highways Agency Digital Enforcement Camera System 3)、略してHADECS 3というキャッチーな名前のカメラで、スマート・モーターウェイ(路肩を車線として運用する高速道路)で最もよく見られ、可変速度制限の警報装置を備えた頭上のガントリーに取り付けられている。黄色の塗装は限定的で、Gatso/Traveloの数分の1程度の大きさであるため、特に時速70マイルで走行している場合は見逃しやすい。後ろ向きに設置され、やはり道路に描かれたダッシュを速度の二次証拠として利用する。また、道路状況によって異なる速度制限にも対応する。

【移動式スピードカメラユニット】
英国の警察は、事故多発地帯で移動式カメラ(文字通り、後部窓に小型のGatsoカメラを取り付けた車両)を使って速度を監視することがよくある。また、路側帯や高速道路の橋の上などに設置され、最大1.6kmの範囲を監視している。警察はまた、さまざまな場所で携帯型のレーダーやレーザー制御装置を利用する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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