グラスミア・グリーンの特別仕様 ランドローバー・ディフェンダー 75thリミテッドエディションへ試乗 

公開 : 2023.06.25 08:25

新しくなったディフェンダーに、初代の誕生75周年目を祝う特別仕様が登場。英国編集部が110 D300で試乗しました。

専用に調色されたグラスミア・グリーン

L663型へモデルチェンジを果たしたランドローバーディフェンダーに、75thリミテッドエディションが登場した。記念すべき節目に設定された、特別仕様となる。

ベースになったのは、英国でのトップグレードとなるディフェンダー HSE。後にシリーズ1と呼ばれ、ディフェンダーへ進化した、初代ランドローバーの誕生から75周年を迎えたことを祝うべく、ほぼすべてのオプションが盛り込まれている。

ランドローバー・ディフェンダー 110 75thリミテッドエディション(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー 110 75thリミテッドエディション(英国仕様)

1番の特徴といえるのが、明るめのグラスミア・グリーン塗装。ランドローバー・ブランドへ別れる前、ローバー初となった四輪駆動モデルのボディへ塗られていたカラーをベースに、調色されたという。

既存のディフェンダーとの差別化を強めるため、20インチのアルミホイールもグラスミア・グリーンで仕上げられている。ダッシュボードの装飾パネルも、同じ色で塗られている。テールゲートには、75th Editionと記されたステッカーが貼られる。

グリーン好きにはたまらない内容かもしれないが、通常のモデルとの違いはこの程度。それでいて、75thリミテッドエディションの英国価格は同等の110 HSE比で、約1万8000ポンド(約289万円)ほどお高い。

特別仕様でも世界最高水準のオフロード性能

ディフェンダーだといっても、現行モデルは初代のように大胆に乗られる場面は少ない。乾燥したガレージで、プレミアムSUVとして擦り傷を避けながら保管されるはず。1940年代の先駆者の再解釈というより、その精神を展開させたモデルといっていいだろう。

それでも、レンジローバーと比較すれば、ディフェンダーのダッシュボードは無骨。好き嫌いは別れるかもしれないが、あえてボルトのヘッドが見えるようにデザインされている。75thリミテッドエディションでも。

ランドローバー・ディフェンダー 110 75thリミテッドエディション(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー 110 75thリミテッドエディション(英国仕様)

装備は極めて充実している。フロントのパワーシートは14か所の角度などを調整でき、ヒーターだけでなくクーラーも内蔵。センターコンソールには冷蔵庫が備わる。

サウンドシステムは、ハイエンド・オーディオメーカーのメリディアン社製。HSEをベースにしているため、それ以外のグレードとは異なる乗り心地を享受できる、エアサスペンションも組まれている。

これほどラグジュアリーに仕立てられていながら、世界最高水準のオフロード性能を備えるという事実にも変わりない。フロントフェンダー上に貼られたチェッカープレートが、砂漠の先を果敢に目指していた、初代とのつながりを想起させる。

試乗車には、スライディング・パノラミック・グラスルーフではなく、巻き上げ式のラグトップが備わっていた。閉めた状態では車内が薄暗くなるものの、オープンにすれば太陽を存分に感じられ、オフロードを走り回るクルマとして最適だと感じた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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