ハイブリッドがアップデート ホンダ・フィット・クロスターへ英国試乗 望ましい結果

公開 : 2023.06.26 08:25

フィットらしい車内空間の広さ

乗り心地はフラット。このクラスのハッチバックへ想像するより、硬いかもしれない。クロスターの場合、通常のフィットよりサスペンションのストロークが伸ばされ、車高は37mm持ち上げられているが、快適性は変わらない。

ただし、荒れた路面への処理はもう少し洗練されてもいいだろう。強めの衝撃が伝わってくる。

ホンダ・ジャズ(フィット) 1.5i-MMD クロスター(英国仕様)
ホンダ・ジャズ(フィット) 1.5i-MMD クロスター(英国仕様)

カーブへ高めの速度を保って侵入すると、競合モデルより大きめにボディロールが生じる。それでも、悪くないペースで先を急げる。全体的な走行時のフィーリングは、上質といっていい。

現行型の特徴の1つといえるのが、ワンボックスカーのような運転姿勢。車高や座面が高めで、フロントガラスは前方にあり大きく寝かされている。このデザインが影響してか、風切り音は少々大きめに感じた。

フィットらしいといえるのは、車内空間の広さ。身長が高めのドライバーでも、窮屈に感じることはまったくない。リアシートも、大人が十分快適に過ごせるゆとりがある。Bセグメントのハッチバックとしては、例外的なほどだ。

広い荷室もプラス。リアシートを跳ね上げれば、大鉢の観葉植物も運べるはず。

過去にないほど好感触なインテリア

今回のアップデートでは、インテリアの配色が僅かに新しくなった。もともと、現行のフィットのインテリアは過去にないほど好感触。「用の美」という、日本のものづくりに対する美意識を反映したと、ホンダは主張している。

実際、内装のデザインはスッキリと整い、素材はこのクラスとしては質感が高い。エアコンの操作パネルには、ボタンとダイヤルが残され、考えることなく自然に扱える。

ホンダ・ジャズ(フィット) 1.5i-MMD クロスター(英国仕様)
ホンダ・ジャズ(フィット) 1.5i-MMD クロスター(英国仕様)

ダッシュボードに据えられたインフォテインメント用タッチモニターも、上部にあるため目線を送りやすい。ソフトウエアのメニューも簡潔。他のメーカーが見習ってほしいほど、使い勝手に優れる。

ホンダ・フィットは、快適で実用的で、運転しやすく好燃費。最新版の英国価格はお高めながら、今まで通りの強みはしっかり維持できている。

車高の持ち上げられたクロスターは、定番のジャズ(フィット)にモダンなベースラインがリミックスされたような、オシャレな仕様。車高は持ち上げられているが、本来の特長はそのまま。お好みでどうぞ。

ホンダ・ジャズ(フィット) 1.5i-MMD クロスター(英国仕様)のスペック

英国価格:2万8635ポンド(約461万円)
全長:4090mm
全幅:1725mm
全高:1566mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:9.7秒
燃費:20.9km/L
CO2排出量:109g/km
車両重量:1248kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:121ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:25.8kg-m/4500rpm(システム総合)
ギアボックス:e-CVT

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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