クラシックカー向けバイオ燃料 英国企業が開発 旧車のエンジンを壊さないガソリン
公開 : 2023.06.16 18:05
英国企業がクラシックカー用の植物性バイオ燃料を発売しました。バイオエタノールの含有量が少ないため、従来のガソリンなどではエンジンに悪影響が及んでしまうクラシックカーに適しているとされます。
クラシックカー向けの持続可能な燃料
燃料のスペシャリストである英国企業コリトン(Coryton)は6月13日、クラシックカー向けの持続可能燃料「サステイン・クラシック」を発売した。英国初の、一般に入手可能な持続可能ガソリンとされている。
サステイン・クラシックは、通常のガソリンと、消費に適さない農業廃棄物から作られたバイオ燃料を混合したものだ。
種類は3つ用意されている。バイオ燃料の配合率が80%以上の「スーパー80」、配合率3分の1以上の「スーパー33」、そして配合率50%以上の「レーシング50」だ。スーパー2種のオクタン価は無鉛ハイオクと同じ98RONで、レーシング1種は120RONである。
コリトン社は、同燃料はあらゆるガソリン車に適しているが、バイオエタノールの含有量が1%未満であるため、特にクラシックカーに向いていると述べている。通常、英国で販売される無鉛ガソリン(E10)はバイオエタノールが10%含まれており、年式の古い車両には適さないことが多い。
スーパー80は、先日オックスフォードシャーで開催されたラリーイベント「Rally For The Ages」で70台の車両に使用された競技用の燃料だ。
英国では6月13日より販売を開始し、順次販売店を増やしていく予定だ。1Lあたりの価格はスーパー33で3.80ポンド(約680円)から、スーパー80は4.65ポンド(約830円)から、レーシング50は5.24ポンド(約935円)からとなっている。
コリトン社は、バイオ燃料の含有量が最も多いスーパー80を使用した場合、通常のガソリンと比較して、温室効果ガスを少なくとも65%削減できるとしている。
同社の事業開発責任者デビッド・リチャードソンは、次のように述べている。
「化石燃料を使用しない燃料成分の入手は限られています。そのため、わたし達は真実味のある現実的な目標を設定し、ユーザーの要求を満たしながら、有意な影響を与える燃料を製造しています。マスバランス技術を使ってこの燃料を100%持続可能と認証することもできますが、技術の準備とトレーサビリティについてオープンにすることが重要だと考えています」
「業界は、適切なサポートがあれば、そこ(100%)に到達することができるでしょう。だからこそ、消費者の手にこの製品を届け、切り替えがいかに簡単で効果的であるかを知ってもらうことが重要だと考えます」
AUTOCARは近々この燃料を試用し、コリトン社の担当者にインタビューする予定だ。