格安フェラーリやポルシェを選ぶ モンディアル or ボクスター 新車のSUVより魅力的? 前編

公開 : 2023.06.27 08:25

1970年代の400や1990年代の456も

4万ポンド(約700万円)以下で売られているフェラーリも、複数存在した。チャレンジ精神に溢れる方なら、ゴージャスなV型12気筒エンジンを積んだ4シーター・クーペ、1970年代の400や412といった選択肢もある。

この価格帯へ含まれる多くには、オートマティックが載っている。それでもイタリアン・グランドツアラーとして、調子が良ければ素晴らしい運転体験を味わわせてくれるはずだ。

フェラーリ・モンディアル(1980〜1993年/英国仕様)
フェラーリ・モンディアル(1980〜1993年/英国仕様)

燃費は良くない。維持費もかかる。だが、魅力的なクラシック・フェラーリだと思う。見事な大排気量・多気筒エンジンを所有することができる。

後継モデルといえる1990年代の456 GTも、この付近の価格帯へ含まれている。同じくフロントにV型12気筒エンジンを搭載した2+2のクーペだが、維持費が高いことも共通している。AT車であることも多い。

というわけで、現実的なフェラーリの中古車を求めてお邪魔したのは、ケント・ハイパフォーマンス・カーズ(KHPC)社。創業39年という歴史を有し、恐らく英国では最大級の規模を誇る、フェラーリの中古車を主に扱う専門店だ。

大きなワークショップを有し、不調に陥ってもしっかりサポートしてくれる。お手頃な跳ね馬を、安心して選べるお店といっていいだろう。

ショールームに展示されていた1台が、243psを発揮する2.9L V型8気筒エンジンをミドシップした、モンディアルだった。1985年式で、走行距離は7万8800km。販売価格は4万7995ポンド(約840万円)だから、少々予算オーバーだけれど。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・ブレンナー

    Richard Bremner

    英国編集部
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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