2024年に3代目へ一新 新型フォルクスワーゲン・ティグアン 2.0TDIの試作車へ試乗
公開 : 2023.06.29 08:25
フォルクスワーゲン1番人気の中型SUVが、来年モデルチェンジ。英国編集部が試作車へ試乗し、仕上がりを確かめました。
ボディもインテリアも先代から刷新
モデルチェンジが、必ずしも望ましい結果になるとは限らない。フォルクスワーゲン・ティグアンは、ゴルフをベースにしたクロスオーバーとして2007年に登場。2015年に発表された2代目も大きな成功を掴み、後継モデルへ求められるハードルは低くない。
フォルクスワーゲンが、初代からの通算で販売したティグアンは800万台以上。2018年以降は、同社のベストセラー・モデルに君臨している。
支持を集めたモデルを世代交代させる場合、あえて先代のイメージを継承することが珍しくない。しかし同社のデザイン開発部門は、まったく新しいスタイリングを与えたようだ。
今回は約80%の完成度だという、開発後期のプロトタイプへ試乗させていただいたが、カモフラージュ越しでも変化の大きさは明らか。ボディサイズとシルエット以外、刷新されたといっていいだろう。
それ以上に大きく改められたのが、インテリア。写真はご覧いただけないが、12.9インチか15.0インチのインフォテインメント用タッチモニターが、ダッシュボード上部に据えられる。後者は非常に大きく、斜め前方の視界にかかっているようだった。
やや前方へ突き出たようなレイアウトは、全体に馴染めていない印象。エアコン操作用のタッチセンサー、「スライダー」がタッチモニターの下部に固定されているのだが、その位置関係もベストとは感じられなかった。
最長100km近く走れるPHEVも登場
スライダーにはイルミネーションが内蔵され、夜間でも操作しやすくなった点はプラス。実際に押せるスイッチやダイヤルの方が扱いやすいことは、事実だけれど。
反面、ステアリングホイールのスポーク上には、タッチセンサーではなくスイッチが並んでいる。クルーズコントロールやステレオの音量などは、センサー式では操作しにくいという声が少なくなかった。アナログへの回帰を歓迎したい。
パワートレインは、現行モデルと同じ1.5Lガソリンターボと、2.0Lディーゼルターボが継続。DCでの急速充電に対応し、電気の力だけで100km近く走行可能なプラグイン・ハイブリッドも投入される。
一般的なユーザーの場合、プラグイン・ハイブリッドを日常的には電気自動車として使え、内燃エンジンの出番は週末の小旅行程度だけだろうと、フォルクスワーゲンは主張する。システム総合での最高出力は、203psと271psに設定されるそうだ。
2代目の頂点を飾っていた、330psのティグアンRは3代目では用意されない。提供期間は2年と、短く終わってしまった。四輪駆動のプラグイン・ハイブリッドが、次世代の最強版となるようだ。
今回試乗したプロトタイプに載っていたエンジンは、2.0Lディーゼルターボ。エンジンの印象は、2代目と大きく違わない様子。それでも燃費は向上し、出力なども高まると予想される。