サイズはどんぴしゃ ボルボEX30を見てきたぞ! まったく新しいEVの見どころは?

公開 : 2023.06.18 19:15

EVで登場した「小さなボルボ」こと、新型車「EX30」の実車をチェック。スタイリングと内装の注目点を確認しましょう。

新型の電気自動車 じっくり見る

ボルボが新型電気自動車(EV)のEX30を発表した。ワールドプレミアは6月7日にイタリアのミラノで行われたが、その1週間後には早くも東京で報道陣向けに実車が公開され、7月末には正式に日本導入がアナウンスされるという。

EVについては否定的な見方をする人も多い日本で、なぜEX30はここまで積極的なのか。理由のひとつはサイズにあるだろう。

ボルボの新型EV「EX30(欧州仕様車)」は、日本でも扱いやすいコンパクトなサイズが話題。乗車定員は5名だ。
ボルボの新型EV「EX30(欧州仕様車)」は、日本でも扱いやすいコンパクトなサイズが話題。乗車定員は5名だ。    AUTOCAR JAPAN

欧州仕様のボディサイズは全長4233mm、全幅1837mm、全高1549mmで、プレミアムBセグメントSUVにカテゴライズされる。1850mm以下の幅や1550mm以下の高さなど、日本の道路事情を反映したような外寸なのである。

ボルボでもこのサイズはアピールポイントのひとつと考えているようで、プレゼンテーションでは「スモール」という言葉が何度も聞かれた。

スタイリングは、真横から見たときのプロポーションはショートノーズとロングキャビンが印象的だ。

ボルボのEV専用車種としてはすでにC40があるが、あちらはエンジン車もあるXC40と基本設計が共通だ。対するEX30はエンジン車がなく、プラットフォームからしてC40とは別物。ゆえに日産アリアフォルクスワーゲンID.4に近いフォルムになった。

それでもボルボに見えるのは、厚みを持たせたショルダーラインや、いかにも頑丈そうなグリップ型ドアハンドルなどのおかげだろう。

新しい表情 なぜボルボに見える?

フロントマスクは、C40ではグリルのあった位置をパネルとしてEVであることをアピールしていたが、EX30はもっと思い切っていて、顔全面をフラットなパネルとして、中央にロゴマークを置き、左右の角にヘッドランプを置いた。

北欧神話をモチーフにしたトールハンマー型ヘッドランプは、矩形のレンズの中にハンマーを入れるのではなく、LEDでハンマーを描いてフロントマスクの隅に置いており、そこから伸びる黒い枠が顔の輪郭を描いている。

ボルボEX30(欧州仕様車)
ボルボEX30(欧州仕様車)    AUTOCAR JAPAN

リアはボルボ伝統の縦長コンビランプを上下に分割し、下側はフロントマスク同様、パネル全体を黒い枠で囲んでいる。おかげでデザインとしてのまとまりも感じる。

全体的に、ボルボらしさと新しさの融合が絶妙であり、北欧デザインの真髄をあらためて見せつけられた思いを抱いた。

5タイプあるボディカラーの中では、唯一の鮮やか系と言えるモスイエローに目が行く。

コンパクトSUVにふさわしい色というだけでなく、1800ESや850 T-5Rなどを思い出すからだ。ここでもボルボらしさと新しさをうまく両立していると感じた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影 / 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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