サイズはどんぴしゃ ボルボEX30を見てきたぞ! まったく新しいEVの見どころは?

公開 : 2023.06.18 19:15

内装は? スピーカーをまとめた理由

インテリアはチラッと見ることができた程度だが、それでも運転席の前のメーターがなく、ボルボではおなじみの縦長のセンターディスプレイに一体化したことや、これまで各所に点在していたオーディオのスピーカーをインパネ奥にサウンドバーとしてまとめたことは確認できた。

前者はテスラ流とも言えるが、速度計などの性能情報は最上段にまとめ、中央にナビゲーションやエンターテインメント、下にエアコンと機能別にゾーンを分けているので見やすそうだ。

外観のみ撮影することができた今回の取材。インパネの奥に見えるのがサウンドバーだ。
外観のみ撮影することができた今回の取材。インパネの奥に見えるのがサウンドバーだ。    AUTOCAR JAPAN

後者はホームオーディオのデザインからインスピレーションを受けたそうで、車内で過ごす時間を大切にするボルボらしい発想だ。

このサウンドバーには、スピーカーをひとつの部品にまとめ、配線や材料の量を減らすことで、ドアトリムのデザインの自由度を高めるという目的もある。

パワーウインドウのスイッチもインパネに移しているので、たしかにドアトリムはすっきりしていて、しかも使いやすそうだ。

インテリアカラーは、ブリーズ、ミスト、パイン、インディゴという、北欧の自然をイメージした4種類を設定。いずれもシート素材やデコラティブパネルには再生可能な素材やリサイクル素材を使用している。

街乗り派と遠征派 バッテリーの種類

床下に積まれるバッテリーはシティユース用のLFP(リン酸鉄リチウム)とロングドライブ用NMC(ニッケルマンガンコバルト)があり、前者はリアモーター、後者はリアモーターと2モーターが選べる。欧州仕様の航続距離は最大で480kmだ。

欧州でも最初は絶対的な航続距離を求める人が多かったが、現在は目的や価格を含めて総合的に判断する考えが主流になりつつあるので、2つのバッテリーを使い分けることにしたそうだ。

ボルボEX30(欧州仕様車)
ボルボEX30(欧州仕様車)    AUTOCAR JAPAN

欧州でのスタート価格は約3万6000ユーロで、現地ではエンジン車とさほど変わらぬレベルにあるという。日本でのプライスも期待したいところだが、それ以上に注目したいのがBセグメントのEVという立ち位置だ。

偶然にも同じ時期に同じミラノで発表されたレクサスLBXは、サイズ的に近いがハイブリッド車。それを含めて日本車のこのクラスのEVは空席。輸入車もプレミアムブランドについては、直近では導入の噂を聞かない。

しかも写真でお分かりのとおりスタイリッシュで、サイズも大きすぎない。もしかすると作り手の期待以上の注目を集めることになるかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影 / 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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