V6とATはトヨタ由来 ロータス・エヴォーラ 英国版中古車ガイド 信頼できる2+2 後編

公開 : 2023.07.01 08:26

実用的な2+2レイアウトで、軽妙なドライビング体験を味わえるエヴォーラ。英国編集部が中古車で、魅力を振り返ります。

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ジェイミー・マシューズ氏:ベル&コルビル社

エヴォーラは、人とは違う高性能マシンをお探しの方にうってつけ。選ばれるのは、知識豊かなカーマニアの場合が多いですね。ポルシェケイマンも悪くありませんが、乗り心地や操縦性ではエヴォーラの方が優れていると思います。希少性も高いですし」

ロータス・エヴォーラ(2009〜2021年/英国仕様)
ロータス・エヴォーラ(2009〜2021年/英国仕様)

中古車を検討される際は、クラッチペダルの重さや、クラッチの滑りがないか確かめてください。アイドリング時のエンジンの異音も、確認すべきですね」

「新しいクラッチへの交換には、弊社では3000ポンド(約53万円)ほどいただいています。大体6万4000kmくらいが寿命です。私のオススメは2011年式のエヴォーラ S。3万5000ポンド(約612万円)くらいでしょうか」

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ジム・ホルダー:AUTOCAR

「エヴォーラ Sに乗っていたことがありますが、とても気に入っていました。普段の移動でも特別に感じさせてくれ、通勤にも問題なし。乗り心地と操縦性のバランスは素晴らしいものでした。エンジンも滑らかでしたよ」

ロータス・エヴォーラ(2009〜2021年/英国仕様)
ロータス・エヴォーラ(2009〜2021年/英国仕様)

「わたしのクルマはIPSと呼ばれるATでしたが、多くのドライバーはMTの方を好むでしょう。オプションだったレカロシートの座り心地は素晴らしく、快適でした。乗降性は、あまり良いとはいえません」

「所有期間にロータス・ディーラーを訪れたのは、フロントワイパーのヒューズ交換だけ。それも、寒くてワイパーが凍り付いていたことが理由で、わたしの不注意でした」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

タイミングチェーン式のトヨタ製3.5L V6エンジンは信頼性が高い。念のためECUを確認して、過去に過剰に回した履歴がないか調べたい。主に北米仕様車となるが、エーデルブロック社製のスーパーチャージャーには不具合が報告されている。

メンテナンス記録を調べ、毎年か1万5000km毎に点検整備を受けているか確かめたい。初期のエヴォーラでは、エグゾーストマウントの状態も要確認。燃費は8.0km/L前後と考えていい。

トランスミッション

ロータス・エヴォーラ GT410(2020年式/英国仕様)
ロータス・エヴォーラ GT410(2020年式/英国仕様)

初期のMTでは、シフトケーブルが伸びて変速しにくくなる不具合があった。ノイズも発生する。後期型では改良を受けている。クラッチは4万kmで交換が必要になることも。ATの場合は、滑らかに変速されるか確認したい。

ブレーキとサスペンション

ロータスへ期待する通り、優れた乗り心地と制動力を発揮するのが正常。サーキットで酷使されてきたような例では注意したい。

タイヤが偏摩耗している場合は、過去に受けたダメージでアライメントが狂っている可能性がある。走行中にフロントからカタカタ音がする場合は、アンチロールバーのブッシュが寿命かもしれない。

ボディ

コンポジット素材のボディは、サビないもの修理は高額。パネルの隙間が均等か、状態をよく観察したい。ドアハンドルは故障しがち。テールゲートのパネルは、エンジンの熱で変形することがある。トランクリッドと給油口も、状態を確認したい。

インテリア

初期型では、インテリアの品質が低いと指摘されたが、後期型では改善している。英国仕様のナビは、余り機能的ではない。ドアスピーカーのカバーや、シートのサイドサポート、ドアパネルの下部、サイドシル付近などの表皮は傷みやすい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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