text & photo:Kazuhide Ueno (上野和秀)
カーデザイン、イラストレーション、クラフトワーク、モデル・フィニッシュ。それぞれの手法でクルマの世界を表現する7人のアーティストの作品展が、今年も有楽町駅前にある東京交通会館ギャラリー・パールルームで行われた。7人のメンバーの内ドイツ在住の児玉 英雄氏は、仕事の関係から来日できず残念ながら今年は欠席となってしまった。
しかし、今回から展示会をより盛り上げるために、今年のクルマが定められた。初回の題材に選ばれたのは、クルマの原点ともいえるべくシトロエン2CVとされた。6人6様の作品を並べられ、来場者の注目を集めていた。
初日は台風の接近で荒れた天候になったが、会場には熱心なファンが多数詰めかけ、会場は熱気に包まれていた。
この自動車アート7人展は10月11日(土)11:00〜19:00(最終日は18:00終了)まで行われているので、興味のある方は訪れてみてはいかがだろうか。
2014 自動車アート7人展ホームページ:http://www.tellysworks.com/2014car_art7.html
今回も有楽町駅前にある東京交通会館ギャラリー・パールルームを舞台に、充実した内容で行われた。
新たな試みとして課題が設けられた。今回はシトロエン2CVで、それぞれのアーティストの作品が並んだ。
初日は台風が接近するという生憎の天気だったが、熱心なファンが続々と来場した。
青戸 務 ホンダ、オペル、ヒュンダイのデザインを歴任し、独、仏に23年間在住。現在アオト・デザインを主宰。
現在は、手描きのレンダリングによるスケッチコーチビルダーとして、好きな時代、好きなクルマを描いている。
今回は青戸氏が好きな往年のアバルトのエッセンスを、現代の解釈で創作した3モデルのレンダリングを披露。
畔蒜幸雄 物心ついた時からプラモデルが最愛の友として育ち、その後プロ・モデラーとして活動中。
もともと航空機のプラモデルからスタートしたこともあり、クルマだけではない趣味の世界を展開する。
今年の7人展には得意なアメリカ車の作品と、週刊日産フェアレディZを徹底的に作り込んだ作例を展示。
稲垣利治 自動車メーカーで先行開発を担当する傍ら、クルマをモチーフとした切り絵アートを手掛ける。
グランパレの屋根を写り込ませたベントレーは、紙を切り出して表現したとは思えぬ仕上がりだ。
切り絵とは思えぬ精密な描写や、独自の視点で表現されたマニアックな作品たちは、見る者をうならせる。
大内 誠 1977年からドイツのH,シュレンツイッヒ氏に従事。日本を代表するテクニカル・イラストレータ。
テクニカル・イラストは構造を熟知して可能な限り精密に描くだけに、自動車メーカーからの信頼も厚い。
今回はテクニカル・イラストに加え、新作のシトロエンAMI 6とコニリオを展示し来場者の注目を集めていた。
岡本三紀夫 クルマを描く事を仕事にして42年。今までクルマへの愛だけで仕事をしてきた事になる。
今回は新作の屏風を持ち込む予定だったそうだが、台風の来襲で延期に。会期後半で展示されるかもしれない。
’80年代にトヨタの依頼で描いた海外向け商用車のポスター原画(右)。クルマ好きにはたまらない作品だ。
佐原輝夫 ‘60年代のレーシング・マシンに魅了され、往年の世界を独自の視点で趣味的に描くアーティスト。
今回はクルマはレーシング・マシンから飛行機など、佐原氏が興味を持った様々な作品を持ち込んだ。
最近は街中のクルマというテーマでも制作している。こちらはシアトルのパイオニア・スクエアを描いた作品。