レクサスIS

レクサスISは、中古車市場で最も存在感の薄い車種の1つである。エグゼクティブ・セダンというよりもラグジュアリーカーという印象が強いので、中古車がドイツのライバル車よりも安い傾向にあるのは驚くべきことだ。英国では、レクサスは特定のドライバーを惹きつけるので、買い手が少ないということなのだろう。

ハイライトは上品なインテリアで、エンジンやトランスミッションは長所とは言えないものの、優れたボディコントロールと正確なステアリングを持つ。2.2L 4気筒エンジンは比較的優れた燃費を実現し、ランニングコストも安いはずだ。後席のスペースが限られていることと、トランクが比較的小さいことが、ISのマイナスポイントだろう。

レクサスIS
レクサスIS

フォルクスワーゲン・ボーラ

1999年に発売されたフォルクスワーゲン・ボーラは、BMW 3シリーズから顧客を誘引するためにデザインされたスポーツセダンだ。英国のコンパクトセダン市場があまりにも小さいため、なかなか実現できなかったが、ボーラはプラットフォームを共有するゴルフよりも走りが良いのだ。これは、硬めのサスペンションとタイトなボディコントロールのおかげである。

質感も素晴らしく、インテリアは上質の極みとは言い難いものの、現代のゴルフと同じように堅実に感じられる。しかし、走行距離の多い個体では、レザーが少々たるんで見えることがある。また、一部のモデルで採用されている「ウッド」トリムは、まさに「マーマイト(好き嫌いが分かれるもの)」だ。

フォルクスワーゲン・ボーラ
フォルクスワーゲン・ボーラ

シトロエンC5

シトロエンは「まぎれもなくドイツ的」という広告キャンペーンで非難を浴びたが、C5は明らかにドイツ製セダンから顧客を引き離すためにデザインされたクルマだ。先代よりもプレミアム感が増し、フランス車らしくない、スタイリッシュな外観に仕上がっている。これは、フランス製セダンをどう見るかによって、プラスになることもあれば、マイナスになることもある。

ダイナミクスよりも快適さと装備を重視するなら、シトロエンC5は一見の価値がある。ハイドラクティブ3サスペンションは、フォード・モンデオというよりメルセデス・ベンツSクラスに近い乗り心地を実現し、3.0L V6 HDiエンジンは、もし見つかれば最高のユニットである。もし見つからない場合は、2.0L HDiがパフォーマンスと経済性を最もよく調和させている。

シトロエンC5
シトロエンC5

セアト・エクシオ

セアト・エクシオのルーツがアウディであることは、見た目からもわかるだろう。2009年に発売されたエクシオは、旧型のアウディA4を改良したもので、価格は新型A4より6000ポンドも安かった。しかしエクシオには、名前の違いとセアトのバッジ以上のものがあったのだ。インテリアはA4カブリオレから流用され、サスペンションにも手が加えられ、異なるフィーリングを与えている。

エクシオ・スポーツには、より低く、より硬いサスペンションが無償オプションとして設定されたが、これを最大限に活用するには、ゴルフGTIの2.0L TSIエンジンが必要だ。ディーゼル車の販売に偏っているため、ガソリン車を探すのに苦労するが、年を追うごとに魅力が増しているように思う。

セアト・エクシオ
セアト・エクシオ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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