中国HiPhi(ハイファイ) 新型「X」欧州価格は約1690万円~ 高級EVブランドとして参入

公開 : 2023.06.21 18:25

HiPhi最高技術責任マーク・スタントン氏とのQ&A

――ドライバー監視システムについて、HiPhiの顧客はどう受け止めていますか?

「好きな人もいますし、嫌いだという人もいます。また、中国でもプライバシーを気にする人がいるようです。だから、ちょっとマーマイト的な機能かもしれませんね。しかし、わたし達のカメラシステムは非常に素晴らしいものです。顔認識機能を備えているので、クルマを始動するのにキーは必要ありませんし(実際にキーはない)、血圧をモニターしたり、顔の表情から喜怒哀楽を判断したりすることも可能です。年齢もわかるんですが、それをディスプレイに出すと怒られるかもしれないのでやめました……」

HiPhiの最高技術責任マーク・スタントン氏は、JLRで経験を積んだ人物
HiPhiの最高技術責任マーク・スタントン氏は、JLRで経験を積んだ人物

――HiPhiは「スマートシティ」向けのクルマをどのようにデザインしているのでしょうか?

「スマートカー、スマートロード、スマートシティという3つの『スマート』をコンセプトにしています。ここ3、4年はスマートカーに重点を置いて市場投入していますが、スマートロードやスマートシティに対応する技術も開発しています。そして、それらを実現するための実証プロジェクトも行ってきました。今、社内にはスマートロードとスマートシティの技術を推進するグループがあります。HiPhiのクルマはV2X、5G通信に対応しているので、そうしたスマート技術に対応する準備がすでに整っているのです」

――HiPhiが中国から生産拠点を移した場合、チャンスはあるのでしょうか?

「この5年間で、世界中で予想不可能な地政学的な出来事を目の当たりにしてきました。製造業としてすべてを1つに賭けるようなことは、おそらく賢明なこととは言えません。わたし達は、絶対にこれ(生産拠点の海外移転)をやるというわけではありません。しかし、もし本当に国際的な企業になりたいと考えているのであれば、すべてを中国に集中させることは、おそらく賢明ではないということはお分かりいただけるでしょう。ですから、他の場所にも目を向け、検討しているところです。しかし、現段階では、そのいずれについても何の決定も下されていません」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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