トヨタ新型「アルファード」 8年ぶりのモデルチェンジ 高級ミニバンの象徴が歩んだ21年とは
公開 : 2023.06.21 14:01 更新 : 2023.06.21 20:33
新型トヨタ・アルファード初公開! 「ミニバン」のイメージを高める高級感溢れる1台が登場。歴代の歩みとともに見ていきましょう。
4代目にフルモデルチェンジ
世界的にSUV人気が続くなか、日本では新車販売の上位にミニバンが常に食い込んでくる。中でもVIPの脚にも選ばれるのがアルファードで、最新のモデルチェンジは、デザインの洗練と新開発プラットフォームの採用で商品力を高めた。
兄弟車のヴェルファイアも同時デビューを果たし、パワートレインは「アルファード」が2.5Lハイブリッド/2.5Lガソリン、「ヴェルファイア」が2.5Lハイブリッド/2.4Lターボを用意する。
いずれのモデルもメリハリのあるスタイリングを手に入れ、とくにボディ側面の造形にはこだわりと高級感を感じる。
ボディサイズは、全長4995×全幅1850×全高1935mm。先代となる3代目と比較して、全長が50mm長くなった形だ。
発売日は6月21日で、価格はアルファードが540万円〜872万円。ヴェルファイアが655万円〜892万円だ。
スタイリッシュに生まれ変わった新型は、いまの時代にどう映るのか。そして高級ミニバンという商品性に未来はあるのだろうか。
ここではアルファード・シリーズが歩んだ21年の歴史を振り返りながら、考えてみよう。
2002年 初代登場 きっかけは?
初代アルファードは2002年5月に登場するが、そのきっかけともなったのは言わずと知れた初代の日産エルグランドだった。
高級ミニバンの先駆けとも言える初代エルグランドは、商用モデルを持たない完全な乗用モデルとして開発されて大ヒット。
一方、当時のトヨタは同クラスにグランビアを擁していたが、こちらは欧州向けのハイエースがベースということもあり、エルグランド人気を見てV6エンジン搭載グレードを用意するなどしたが、販売面で圧倒されたというのがアルファード誕生のきっかけとなったことは間違いないだろう。
そんなエルグランドを研究し尽くしてリリースされた初代アルファードは、日本専売車としてスタートしたこともあり、日本人好みの豪華さを採り入れた内外装を持ち、駆動方式はFRのエルグランドよりも室内空間を広く採ることができるFFレイアウトを採用。
搭載エンジンも、高級感溢れるV型6気筒3Lのほか、コスト面・税制面に優れる直列4気筒の2.4Lモデルを設定していたのもアドバンテージとなっていた。
また初代モデルから通常グレードのほか、エアロバンパー+サイドクラディングパネル、大径テールパイプなどの外観と黒系の内装を備えたいわゆる「エアロ系グレード」を設定していたのも先見の明があったと言える。
さらにデビュー翌年の2003年7月には、エスティマハイブリッドのコンポーネンツを流用したアルファード・ハイブリッドを追加したほか、今では多くの車種に採用されるパワーバックドア(電動リアゲート)を日本車として初めてオプション設定するなど、ユーザーが求める“痒い所に手が届く”系の装備を用意していた点もトヨタらしい抜かりのなさといったところだろう。