JLR 改良新型レンジローバー・イヴォーク発表 タッチスクリーン大型化、グレード見直し

公開 : 2023.06.22 06:25

レンジローバー代表、ジェラルディン・インガム氏とのQ&A

JLR(ジャガーランドローバー)の新しい企業戦略では、4つのブランドを柱としている。レンジローバー、ディフェンダー、ディスカバリーといった従来のランドローバーの各モデルラインがそれぞれ独立したブランドとなり、「ハウス・オブ・ブランド」としてジャガーと並んでいるのだ。

AUTOCARは改良新型イヴォークのプレビュー・イベントで、レンジローバーの新マネージング・ディレクター(MD)、ジェラルディン・インガム氏にインタビューを行った。

改良新型レンジローバー・イヴォーク
改良新型レンジローバー・イヴォーク    JLR

インガム氏の前職はメタ(Meta)の自動車部門のディレクターであり、それ以前はフォルクスワーゲンUKのマーケティング・ディレクターを務めていた。今年後半にブランド初の完全電動車であるレンジローバーEVの発表を控えた重要な時期に、JLRに加わった。

――レンジローバーのMDに就任して数か月経ちますが、いかがですか?

「驚きです。本当にいろいろなことがありました。3週間前にレンジローバー・スポーツSVを発表し、今日はイヴォークを発表しました。ローンチに関して言えば、レンジローバーの規模は信じられないほどです。そして、すべての変革、電動化、ハウス・オブ・ブランド。さまざまなことが起きています。ですから、とてもハードですが、すごくエキサイティングなんです」

――レンジローバーに移籍したうえで、優先していることは何でしょう?

「まだ始まったばかりで、2か月経った今、『これがわたしの目指すところだ』と言うのは本当に難しい。今のところ、わたしは社内を歩き回り、みんなに会うことに集中しています。わたし達がどこに向かおうとしているのか、みんなが何を考え、何を感じているのかを理解することが大切です」

「電動化は絶対です。わたしは(スピーチの中で)レンジローバーの完全電動化についてお話しましたが、これは大げさではなく、純粋に、この職務に就くことを100%決断させるものでした。というのも、これは会社にとって、そして電動化にとって、画期的な瞬間だからです。レンジローバーを、あれほど大きなSUVを完全に電気で走らせることができるというのは素晴らしいことです」

「だからこそ、それを正しく理解することが重要で、発売し、顧客や取引先の理解を得ることが本当に重要だと思います。レンジローバーBEVを視野に入れながら、すべての製品に精通し、自分の道を切り開いていく。(レンジローバーBEVは)かなり早く実現するでしょう」

――あなたはイヴォークのPHEVモデルについて非常に好意的に語っていましたが、英国政府は最近、この技術に誤った見方をしています。さまざまなパワートレインを備えたレンジローバーを提供することは、どれほど重要なのでしょうか?

「お客様の声に耳を傾け、その(電動化の)過程に同行することが本当に重要だと思います。そして、レンジローバーが使用するMLAプラットフォームは、本当にフラットで素晴らしいものだと思います。来年末には、ハイブリッド、ガソリン、ディーゼル、そして完全なEVが登場します」

「お客様に選択肢を提供することが本当に重要だと思います。中国は、小型車が先行しているとはいえ、急成長しています。わたしは2週間前にサウジアラビアに行ったのですが、興味深いことに、サウジアラビアでも電動化を推進する動きがあるそうです。例えばリヤドでは、2030年までにEV比率を30%にするという目標を掲げています。したがって、地域ごとに異なる政令や顧客の要望を考慮する必要があります。MLAのプラットフォームは実際に需要に対応できるため、素晴らしいものです」

――(ジャガー、ディフェンダー、ディスカバリーと並んで)レンジローバーがハウス・オブ・ブランドの中で独自の存在となった今、どのように独自性を確保しているのでしょうか?

「レンジローバーは誰からも愛されていると思います。社内にDNAがあるのは驚きです。わたし達は生き、呼吸しているのです」

「わたしの役割は、レンジローバーの独自性をお客様に理解していただくために、それを対外的にも増幅できるようにすることだと考えています」

「わたしも日々学んでいます。わたし達はただ、こうした素晴らしいメッセージを確実に伝え、いかに偉大な英国ブランドであるか、そしてわたし達のクルマに込められた素晴らしいDNAのすべてを理解してもらい、進み続ける必要があるのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事