フォルクスワーゲン・パサート2.0 BiTDi GT 4モーション

公開 : 2014.10.07 23:40  更新 : 2017.05.29 18:57

■どんなクルマ?

一握りのクルマしか成し得ない2千万台という売上をフォルクスワーゲンは3台のモデルをもって達成した。

ゴルフとビートル、そしてパサートのことである。

密やかにフォルクスワーゲンの重要なモデルへと進化を遂げたパサートの最新モデルが発表された。

仮にパサートをウォルフスブルグ発の第三の売上のモデルと見なすのであれば、あなたは筆者より賢い。中国ではそうだし、北アメリカでも多分そう見なすだろう。ヨーロッパではあるいはピンと来ないかもしれないが、同市場の誰もが認める功績を目の当たりにすれば、パサート(とそのデリバティブ)は、急進的に売上を伸ばすモデルと見なすまでに、さほどの時間を要さないはずだ。

成功は信頼を呼ぶ。8世代目の新型パサートは、来年初旬に英国のショールームにお目見えする予定で、オーダーは今月から受付開始。相変わらず徹底的にコンベンショナルでコンサバティブ、そしてただしグンと力を伸ばしたこのクルマは、あなたの期待に答えるのはもちろんのこと、それを遥かに上回る野心的な性格も兼ね備えている。

立場を既に安定感あるものにしたプレミアムブランドのライバルたちと同じ立ち位置に腰を据えるというフォルクスワーゲンの意図はかなり揺るぎないもの。ライバルメーカーのブランド力に質感や洗練、快適性やテクノロジー、収容能力でどれくらい勝負ができるかが見どころである。

多種多様なMQBプラットフォームを土台に据えた事によって、軽量になったという点も重要なポイント。平均で、先代よりも85kg軽量になっている。短く、低く、ワイドになった反面、件のプラットフォームの恩恵を受けてホイールベースは延長された。

したがってキャビンの前後方向の長さは33mm拡大され、後部のヘッドルームや荷室容量もそれぞれ大きくなっている。

■どんな感じ?

実際は小さくなっているのだけれど、体感的にはこのクラスのクルマのなかで、他を寄せつけないほど広々としている。また先代にあった、堅牢性と豊富な装備、最新の注意を払ったフィニッシュも健在で、他のベスト・プレミアム・サルーンと全くもって引けを取ることはない。

キャビンに採用された色合いは、あなたを飛び上がらせるほどのものではないが、シンプルで要点を突いた設計思想は、安らかな気分にさせてくれるはず。エアコンの調整ノブやトリップ・コンピューター、マルチメディア・ボタンなどの全てのコントローラーとスイッチの操作感はしっかりとしているし、またそれらの配置も絶妙である。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事