フォルクスワーゲン・シロッコ2.0TDI 150
公開 : 2014.10.07 23:30 更新 : 2017.05.29 18:58
大部分は先代よりも改善されているが、高回転域まで引っ張ってみれば、ボンネットの下にはディーゼル・エンジンが潜んでいるのだと言うことがわかる。
ただし先述したミドルレンジの力強さのおかげで、ほとんどの上の回転域まで持っていく必要はない。せかせかと回転数をあげずに、悠々と中回転域でクルーズする、といった使い方がこのグレードのシロッコには最適である。
言うまでもなく、燃費はこのエンジンの恩恵を受けている点のひとつ。DSGを組み合わせたモデルでは22.2km/ℓというのが複合サイクルにおけるフォルクスワーゲンの公表値である。われわれも、様々なコースを走らせてみたが、トリップ・コンピューターを見る限り17.7km/ℓはコンスタントに超えていた。
テストの間、6速のDSGは時に滑らかさを失い、必要以上にギアを上げて低回転を保守しようという傾向が見られた。一応は、ステアリングの向こう側にずんぐりとしたシフトパドルもあるにはあるが、これを使ったからと言って、ドライビングに夢中になれると感じることもない。
改良点の一つにエレクトロ-メカニカル・ステアリングのマッピングの再調整も含まれる。これに関しては改善の甲斐あって、高速域での重みは適切で、リニアで落ち着きのあるレスポンスを提供してくれた。
多くの路面状況では冷静で安定感がある。操舵感覚は一生懸命に熱中するといった類ではないけれど、大らかで優しい印象だ。
2008年モデルの方が冒険的なルックスだった気がしなくもないが、それでもわれわれの目には、現行モデルもスマートで新鮮味があるように映る。