ロータス・エリーゼ後継 アルピーヌと袂を分かち独自開発 軽量EVスポーツカー、2026年発売へ

公開 : 2023.06.22 18:05

ロータスはアルピーヌとの電動スポーツカー共同研究プロジェクトを終了し、独自でエリーゼ後継車を開発することになりました。軽量かつ効率的な構造をベースに、ロータスブランドの承継を目指しています。

新時代の象徴となるEV、独自開発へ

ロータスは、エリーゼの電動後継車の開発を進めているが、アルピーヌとの共同研究プロジェクトは終了したことが明らかになっている。

2021年初頭、両社はロータス・エリーゼアルピーヌA110の後継車向けの電動スポーツカー用プラットフォームを共同開発する計画を発表したが、最近になって双方の合意により解消。それぞれの電動スポーツカーの実現性に疑問が残された。

ロータスはエリーゼの後継となる電動スポーツカーを独自開発中。(画像は予想レンダリングCG)
ロータスはエリーゼの後継となる電動スポーツカーを独自開発中。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

アルピーヌは今週初め、A110後継車のために新しいプラットフォームを自社開発することを明らかにした。

ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOはAUTOCARの取材に対し、「わたし達は長い議論を重ね、最終的に独自のプラットフォームを構築することを決定しました」と語った。

一方のロータスは、コードネーム「タイプ135」と呼ばれる電動スポーツカーの開発状況を公式には確認していないが、AUTOCARが入手した情報では、2026年の発売に向けて準備が進められているようだ。

タイプ135は、ロータスのEV改革の第一段階を担うもので、ブランドの「純粋なエッセンス」の表現を目指し、LEVA(軽量電気自動車アーキテクチャー)という軽量ボディ構造の開発プロジェクトを中心に構築される。

タイプ135の設計とエンジニアリングはロータスの本拠地である英ノーフォーク州ヘセルで行われ、エリーゼなど同地で生産されてきた伝説的なスポーツカーの系譜を受け継ぐことになる。

LEVAを組み込んだ新しいEスポーツ・プラットフォームは、ミドエンジンスタイルのレイアウトを採用し、バッテリーパックは通常のEVのように床下に積むのではなく、車体の中央に積む可能性が高い。これにより車高が低くなり、重量配分もより適切なものになる。

タイプ135は販売台数的には貢献しないだろうが、ブランドにとっては重要なモデルになるだろうと、コマーシャル・チーフのマイク・ジョンストン氏は最近AUTOCARに語っている。

「エリーゼは、ロータスがEV時代において何を表現しているのかを示す、ロータスブランドの象徴であるべきクルマです」

エレトレ、タイプ133、タイプ134は非常にロータスらしいモデルですが、ロータスの最も純粋なエッセンスはタイプ135でしょう」

ミドシップのようなバッテリー配置

Eスポーツ・プラットフォームの全貌はまだ明らかにされていないが、内燃エンジン搭載のスポーツカー、エミーラの構造よりも37%軽量化されているという。

電動パワートレインの重量増を補うため、また歴代モデルのダイナミクスの特徴を再現するために、一から設計されている。

電動パワートレインの特徴を活かし、ロータスのDNAの承継を目指す。(画像は予想レンダリングCG)
電動パワートレインの特徴を活かし、ロータスのDNAの承継を目指す。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

バッテリーは、従来のミドシップを彷彿とさせるレイアウトでシートの後ろに垂直に積むことも、4シーターのロングホイールベース車で床下に配置することもできる。

マネージング・ディレクターのマット・ウィンドル氏は、ロータスのトレードマークであるダイナミックな俊敏性を新型車にも受け継がせたいとと話す。

ウィンドル氏はLEVAの発表の場で、「ダイナミクス、エアロダイナミクス、軽量化などは、すべての製品に共通するロータスのDNAです。動力源は異なりますが、このLEVAシステムには、瞬間的なトルク、冷却の容易さ、優れたパッケージングなどの利点があります」と語っている。

Eスポーツ・プラットフォームには、出力475psから885psまでのシングルモーターおよびツインモーターが搭載できる。つまり、エントリーモデルであっても、最もパワフルな仕様のエリーゼの約2倍の出力を持つことになる。後輪駆動と四輪駆動に対応しているが、ロータスがこれまでに発表したコンセプトでは、すべて後輪駆動を採用している。

ウィンドル氏がAUTOCARに語ったところによると、マーケティングとエンジニアリングの両面で、ハイパーカーのエヴァイヤに見られるようなトルクベクタリングを搭載する「可能性を閉ざしたくない」という。エヴァイヤの特徴的な機能は、他のモデルにも採用されることになるだろう。

タイプ135は、電動パワートレインのコンパクトなサイズを活かして、エヴァイヤの「ベンチュリートンネル」のように大胆なデザインで空力効率を高める可能性もある。しかし、販売価格がハイパーカー並みになることはないだろう。ウィンドル氏は、ボルボポールスター、Lynk & Co、LEVCなどジーリー・グループ全体の「効率性」により、他ブランドのコンポーネントやシステムを使用して、開発費や販売価格を抑えることができると述べた。

同氏は、エリーゼと同程度の価格帯でタイプ135を発売するのは難しいだろうとしながらも、材料や部品のコストが「大幅にダウン」すれば、エキシージの上位モデルとほぼ同等の価格が可能になると見込んでいる。つまり、8万~10万ポンド(約1450~1800万円)の価格になるかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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