ランボルギーニ・ウルス 2024年からハイブリッド専用車へ V8ベースのPHEV登場

公開 : 2023.06.23 18:05

ランボルギーニ・ウルスのPHEVモデルが2024年後半に登場し、ハイブリッド専用車となることがCEOへの取材で明らかになりました。電動化を進める一方で、EVのスーパーカーはまだ計画されていないとのこと。

ウルスPHEV 来年デビューへ

ランボルギーニ・ウルスは、2024年からハイブリッド専用車となる。2029年にはEVとなった2代目が発売される予定だ。

来年登場するウルスは、4.0L V8ツインターボをベースとするプラグインハイブリッド・システムを搭載し、レヴエルトに続く同社2番目のPHEVとなる。ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEOがAUTOCARに明かした。

ウルスPHEVは既存のV8エンジンをベースとするようだ。
ウルスPHEVは既存のV8エンジンをベースとするようだ。    ランボルギーニ

2024年末に純ガソリン車のV8ウルスに代わってラインナップに加わり、2020年代末まで販売される予定だという。その後、2029年にバッテリーEVとなる2代目にバトンタッチする。

このウルスEVに先駆けて、ランボルギーニ初のEVが2028年に発売予定で、新しい第4のモデルラインを形成する。このクルマは、「地上高を高めた」2+2のグランドツアラーであり、「GTの革新的なアプローチ」とされる。

「持続可能性を追求し、より良い視界を確保し、非常にセクシーなデザインでありながら、ランボルギーニであることが一目でわかる」とヴィンケルマン氏は語る。「他の誰も持っていない高性能バッテリーを搭載し、市場でもユニークなものになるでしょう」

同氏によれば、このグランドツアラーの開発はまだデザイン段階にとどまっており、ランボルギーニは「夢と実際にできることの境界線」に取り組んでいるという。

その一方で、ウルスPHEVは従来のエンジンを発展させたハイブリッド・パワートレインを搭載し、来年登場するとのこと。しかし、将来の法規制によって、エンジン車を販売し続けることは「ほとんど不可能」になると考えているようだ。たとえ、技術的には可能であっても。

「2035年以降、ICE(エンジン)に対する法規制は非常に厳しくなり、わたし達のような大排気量のICEを適合させることはほとんど不可能になると、強く確信しています。非常にコストがかかり、実現は不可能になりつつあります。ICEの開発には信じられないほどのコストがかかるのです」

EVスーパーカーの計画は「今のところない」

ランボルギーニは、米カリフォルニア州の大気浄化法のような、排出ガスに関する最も厳しい規制に適合するモデルを開発している。2035年以降はEV以外のクルマの販売が禁止されるため、同社もこの道を歩むことになるだろうとヴィンケルマン氏は推測している。「最も難しい法律、それは米国のカリフォルニア州です。他の州ではカリフォルニアの規則を採用していますが、典型的なのはわたし達がクルマを販売している大都市です」

「(法律が)EVを禁止するものでなくても、税制が大きな打撃になるでしょう。巨大都市では、2035年までにEV以外のクルマを廃止すると言っています」

同社初のPHEVであるレヴエルトは、2年分の生産ロットがすでに埋まっているという。
同社初のPHEVであるレヴエルトは、2年分の生産ロットがすでに埋まっているという。    ランボルギーニ

最近の合成燃料の開発は、将来のモデルを合成燃料に適合させることよりも、現在の自動車産業を存続させることを目的にしていると、ヴィンケルマン氏は言う。

しかし、ランボルギーニは、スーパーカーのEV化を急いではいない。新しい世代が登場するのは「8年か9年後で、あと3年半から4年は決断する必要がない」ためだ。「電動スーパーカーの成功の可否はそのときにはっきりするでしょう。ハイブリッド(スーパーカー)に関しては問題ではありません。これほど早く受け入れられるとは誰も予想していませんでした」

EVのスーパーカーについて、ヴィンケルマン氏は「完全電動スーパーカーがICEと同じくらいエモーショナルであることを証明するのはわたし達次第。わたし達の責任です」と言う。現在のところ、EVの「音に対する答えはない」としている。

新型のランボルギーニでは、「前の世代よりも性能が高く、持続可能性が高いこと」が優先される。動力源が何であれ、今後のモデルは「期待を超えるドリームカーを作る」という会社のマントラに沿って作られるとのことだ。

ハイパーカーについては、ヴィンケルマン氏は、ブランドとしてはやりたいことだが、現時点では予算とラインナップのスペースが制限要因になっていると述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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