オーナーのお望み通りに ベントレー・バトゥールへ試乗 W12の最後を飾る18台 前編

公開 : 2023.06.24 08:25

W12は内燃エンジン技術の1つの高み

まったく新しいボディが、コンチネンタルGT譲りのメカニズムを包み込んでいる。とはいえ、フロントガラスの取り付け位置や、ルーフ部分の構造を担うヘッダーレール、主要なコンポーネントを固定するハードポイントなどは共有している。

衝突安全性のテストを受け直す必要があるほど、既存モデルへ手が加えられたわけではない。すべてのバトゥールは、英国で少量生産のクルマが対象となる車両認証(IVA)を受けると、アメリカへ渡るという。

ベントレー・バトゥール・プロトタイプ(欧州仕様)
ベントレー・バトゥール・プロトタイプ(欧州仕様)

未来のデザインという点で、筆者が関心を抱いたのはヘッドライトとフロントグリル。かなり主張が強く、大胆な処理を得ているように思う。ウィリアムズは、「過激さや不快さを感じさせるようなことはしません」。と口にする。

流れるようなボンネットの内側には、ベントレー自慢の6.0L W12型ガソリン・ツインターボユニットが、改良を受けて収まっている。コンパクトでありながらパワフルで、内燃エンジン技術の1つの高みにあるといっていい。

この傑作ユニットは、欧州の規制基準に準拠しているにも関わらず、2024年での製造終了が決定している。2030年までに、ベントレーは電気自動車のみをラインナップすることになる。

軽量で快音を響かせる、V8ツインターボはまだ当面作られるが、W12エンジンの猶予はあと少し。コンチネンタルGT スピードで指定することも可能だから、関心をお持ちなら急いで問い合せた方が良いだろう。

もし現実が許すなら、筆者も1台オーダーしたいところだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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