可動式ヘッドライトを採用した名車 50選 前編 もう見られない最高に格好いいギミック

公開 : 2023.07.08 18:05

可動式ヘッドライトの始まりは1935年の「コード810」というクルマでした。その後、1960年代から2000年代前半にかけてさまざまな車種に採用され、一世を風靡しました。その中から最高の50台を紹介します。

ヘッドライトが隠れる名車たち

1935年のニューヨーク・オートショーで、コード社がポップアップ式ヘッドライトを装備した「810」を発表し、センセーションを巻き起こした。しかし、このようなものは誰も作ったことがなく、広く採用されるようになるまでには、さらに30年の歳月が必要だった。

1960年代後半から1970年代にかけて、フェラーリポルシェロータストライアンフなどさまざまな企業がこぞって採用し、ポップアップ式ヘッドライトは一躍主流に上り詰めた。

可動式ヘッドライトを装備したクールな名車を前後編に分けて紹介する。
可動式ヘッドライトを装備したクールな名車を前後編に分けて紹介する。

2004年、ロータス・エスプリV8とシボレーコルベットC5が、ポップアップ式ヘッドライトを搭載した最後の量産車となった。米国でも欧州でも、歩行者の安全に関する規制によってポップアップ式は廃止された。空力特性が良くなかったのも廃止の理由の1つである。

今回は、ヘッドライトが隠された素晴らしいデザインのクルマを50台紹介する。

なお、本稿では、リトラクタブルや反転式など、可動式(格納式)のヘッドライトをまとめて「ポップアップ式」として紹介している。厳密には分類が異なるが、AUTOCAR UK(英語版)の表現を尊重し、このような表記とした。あらかじめご了承いただきたい。

コード810(1935年)

1929年にコードが発表したL-29は、米国で初めて生産された前輪駆動車である。その6年後に登場したのが、ポップアップ式のヘッドライトを備えた810だ。スチンソンの飛行機の着陸灯を利用した手回し式の機構で、810は1940年まで生産された。

コード810(1935年)
コード810(1935年)

ビュイックYジョブ(1938年)

Yジョブは、一般に世界初のコンセプトカーと言われているが、ボルボがスポンサーとなったヴィーナス・ビロの方が5年先行していた。ボルボにはないポップアップ式ヘッドライトを備えていたが、これはハーレー・アール氏がデザインしたYジョブの未来志向の特徴の1つに過ぎなかった。

ビュイックYジョブ(1938年)
ビュイックYジョブ(1938年)

ロータス・エラン(1962年)

四半世紀以上前のコード810に続いて、ポップアップ式ヘッドライトを採用した大衆車であるエランは、軽快なエンジン、最小限の重量、独立サスペンション、ディスクブレーキによる驚くべきダイナミクスを備えた画期的なクルマだった。

ロータス・エラン(1962年)
ロータス・エラン(1962年)

マセラティギブリ(1966年)

ランボルギーニ・ミウラと同じ年に発表されたギブリは、ポップアップライトを備えたマセラティ初のモデルであり、その後、ボーラ、メラク、カムシン、インディと続いた若き日のジョルジェット・ジウジアーロ氏がデザインしたモデルで、クーペとスパイダーがあり、4.7Lまたは4.9L V8を搭載している。

マセラティ・ギブリ(1966年)
マセラティ・ギブリ(1966年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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