ホンダNSX(1990年)

ホンダNSXは、スーパーカーの進化におけるターニングポイントに他ならない。信頼性、使いやすさ、そして俊敏性において新時代を切り開いたのであり、特に後者は先駆的なアルミニウム構造の採用によるものである。当初は3.0L V6をミドマウントしていたが、後に3.2Lユニットが追加され、オートマチック・トランスミッション、タルガトップのオプション、そしてポップアップ式ヘッドライトに代わって固定式のヘッドライトが採用された。

ホンダNSX(1990年)
ホンダNSX(1990年)

リライアント・シミターSST(1990年)

リライアント・シミターSS1は、ジョバンニ・ミケロッティ氏が生前にデザインした最後のクルマで、その不格好なスタイリングゆえに素晴らしいスワンソングとは言いづらい。しかし1990年、シミターSSTにアップデートされ、それまでのフリップフォワード式から従来のポップアップ式ヘッドライトに変更された。その後、セイバーとしてさらに改良され、見栄えが良くなった。

リライアント・シミターSST(1990年)
リライアント・シミターSST(1990年)

アルピーヌA610(1991年)

アルピーヌは、ルノーの部品を使用する独立系自動車メーカーとしてスタートしたが、A610が登場する頃には、ルノー帝国の一員となっていた。3.0L V6ターボをリアに搭載したA610は、速くて見栄えも良かったが、最大のライバルであるポルシェに対抗できるほどの完成度は持っていなかった。

アルピーヌA610(1991年)
アルピーヌA610(1991年)

チゼータV16T(1991年)

1980年代後半、お金に余裕があり、過激なスーパーカーを手に入れたいと願う裕福なエンスージアストが溢れていた時代に考案されたチゼータV16T。大排気量の6.0L V16エンジンを横置きに搭載しており、これは3.0L V8を2つ繋ぎ合わせたものである。その結果、最高出力は568ps、最高速度は約320km/hに達した。……とはいえ、今回はエンジンのことは忘れて、このヘッドライトに注目して欲しい。

チゼータV16T(1991年)
チゼータV16T(1991年)

ジャガーXJ220(1992年)

マクラーレンF1が登場するまで、ジャガーXJ220はミドマウントの3.5L V6ツインターボにより、最高速度341km/h(212.3 mph)という世界最速の市販車となった時期があった。キース・ヘルフェット氏率いるチームがデザインしたXJ220は、ポップアップ式ではなく、ドロップダウン式のパネルでヘッドライトが現れるタイプで、どの角度から見てもゴージャスな印象を与えるクルマである。

ジャガーXJ220(1992年)
ジャガーXJ220(1992年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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