英アストン マーティン会長「自分はナイトの称号を授与されるべき」 経営再建の功績を強調

公開 : 2023.06.28 06:05

アストン マーティンの会長であるカナダ人実業家ローレンス・ストロール氏は、同社の経営再建の功績に対して「もっと評価されるべき」とし、英国王室の名誉ある称号「ナイト」を授かるべきと主張しました。

もっと評価されるべき? 「数千人の雇用を守った」

英国の自動車メーカーであるアストン マーティンのローレンス・ストロール会長は、同社を救い、将来の成功に導いた功績に対し、「ナイト」の称号を授与されるべきだと主張している。

カナダ人のストロール氏はアストン マーティンの自動車事業の取締役会会長であり、F1チームのオーナーでもある。2020年に同社の大株主となり、経営再建を図ってきた。

ローレンス・ストロール氏は2020年にアストン マーティンの大株主となり、会長として経営再建に取り組んでいる。
ローレンス・ストロール氏は2020年にアストン マーティンの大株主となり、会長として経営再建に取り組んでいる。

ナイト(Knight)は英国の叙勲制度において王室から与えられる名誉ある勲位であり、「サー(Sir)」の称号が許される。

同社の投資家向け説明会を前にメディアの取材に応じたストロール氏は、自身が成し遂げたことに対し、もっと称賛されるべきだと語った。

「わたしは、自分がしてきたことに対してナイトの称号を与えられるべきです。わたしは何千人もの雇用を守り、何億ポンドもの投資で新しいF1ファクトリーを建設しました」

ストロール氏は「この投資額は途方もないもの」とし、それは会社の将来に対する信念を反映したものだと語った。

ストロール氏が調達し、アストン マーティンに投入された投資額は約15億ポンド(約2700億円)で、「会社に対するわたしの信念を示す大きなものです。人は、その将来性を信じていないビジネスに資金を投入することはありません」としている。

また、アストン マーティンの将来の成功に向けた準備はほぼ完了したという。企業の再建には5年から10年かかることもある中で、わずか3年で達成したこと自体は並大抵の話ではない。

長期的な成功については「他のビジネスでは勝ってきた」と語り、アストン マーティンでも勝つことができると期待している。

アストン マーティンが成功を収めている証拠として、ストロール氏は車両価格とマージンの上昇を挙げている。同社の平均販売価格は2020年の15万7000ポンドから2023年には22万3000ポンドに上昇し、同期間にマージンは18%から37%になると見込まれている。将来のマージンの目標は40%である。

今年5月に公開されたDB12は、ストロール氏の会長就任以来初となるニューモデルであり、今後もヴァンテージとDBSの後継車、2024年のヴァルハラ、2025年の同社初のEVが登場する予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事