運転を味わえる気兼ねなさ ホンダ・シビック 長期テスト(最終) 日本車らしい強み
公開 : 2023.07.08 09:45
燃費は少し期待外れ 沢山売れても疑問はない
カーブでの反応は軽快で、不自然に外へ膨らむこともない。ニュートラルなバランスは、通勤にもピッタリといえた。ホットハッチのように、ドライブモードで特性を大きく変えることはできないとしても。
長期テストの期間中に不満を感じた点といえば、40Lと小さなガソリンタンク。走る距離が長いだけに、ガソリンスタンドへ寄る回数は自ずと増えがちだった。
燃費は、もう少し伸びても良いだろう。当初は20.2km/Lを記録し驚かせたが、その後は18.0km/L前後が平均になった。時には17.0km/Lへ落ち込むこともあり、カタログ値の20.0km/Lへ届かせることは難しいように思う。
知的なハイブリッド・システムを搭載するだけに、少し期待外れだったかもしれない。2.0L 4気筒エンジンは専ら発電に徹し、駆動用モーターがシビックを走らせるということは、既に何度も触れている。複雑に思えるが、実際はまったく気にせず運転できた。
メーターパネルには、パワートレインの働きを示すインジケーターがあるが、内燃エンジンと駆動用モーターとの協働作業は極めてシームレス。変化を感じることが難しいほど。想像以上に、バッテリーEVのように運転できることには感心させられた。
前衛的なハッチバックだとはいえないだろう。だが既存の技術へ磨きをかけ、洗練度を高め、秀でた完成度で機能させている。非常に日本車らしい特長だといえる。11代目のシビックが沢山売れたとしても、筆者は疑問を抱かない。
セカンドオピニオン
クルマ好きをワクワクさせてくれる、ベーシックなモデルとの出会いはとてもうれしい。2022年に開かれたシビックのプレス発表会で運転した時には、まさにそんな気持ちになった。
クルマの技術は、当たり前のように進化している。しかし、ドライバーズカーとしても楽しめるハッチバックは、選択肢が限られる。未来のホンダにも、このようなクルマづくりを続けて欲しいと思う。 Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
テストデータ
気に入っているトコロ
完璧なレイアウト:例えば、手を伸ばした先の自然な場所にあるシフトセレクター・ボタン。シンプルで機能的。
プラスティック製の荷室マット:犬を載せた時など、荷室が汚れるのを効果的に防げる。
細かな部分の美しさ:例えば、横方向にスライドするパーセルシェルフ。他社も真似すべき部分だと思う。
気に入らないトコロ
警告ステッカー:スマートフォンのワイヤレス充電パッドに貼られているステッカーが、質感を乱している。目立つ場所にあり、剥がせない。
後ろ姿:リア回りのスタイリングが、少々無骨だと思う。もう少しスマートに仕上げられるのでは。
走行距離
テスト開始時積算距離:4425km
テスト終了時積算距離:1万3563km
価格
モデル名:ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)
開始時の価格:3万2995ポンド(約577万円)
現行の価格:3万2995ポンド(約577万円)
テスト車の価格:3万3820ポンド(約592万円)
オプション装備
プレミアムクリスタル・ブルーメタリック塗装:825ポンド(約14万円)
燃費&航続距離
カタログ燃費:20.0km/L
タンク容量:40L
平均燃費:18.4km/L
最高燃費:21.1km/L
最低燃費:16.2km/L
航続可能距離:735km
主要諸元
0-100km/h加速:8.1秒
最高速度:180km/h
エンジン:直列4気筒1993cc自然吸気+ツイン電気モーター
最高出力:183ps(システム総合)
最大トルク:32.0kg-m(システム総合)
トランスミッション:e-CVT
トランク容量:404-1187L
ホイールサイズ:18インチ
タイヤ:235/40 ZR18
車両重量:1533kg
メンテナンス&ランニングコスト
リース価格:432ポンド(7万5000円/1か月)
CO2 排出量:114g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:トゥーバー 1245ポンド(約21万8000円)/スクリーン洗浄 10ポンド(約1800円)
燃料コスト:801.5ポンド(14万円/ガソリン)
燃料含めたランニングコスト:811.5ポンド(14万2000円)
1マイル当りコスト:0.14ポンド(25円)
不具合:なし