ロールス・ロイス・スペクター上陸 超高級ブランドのEV化戦略とは

公開 : 2023.07.01 21:12

価格は4800万円から

会場に展示されたスペクターは、「プロフェシー」と呼ばれる特別な仕様。創業者ヘンリー・ロイス卿ゆかりの地であるウェスト・ウィッタリング・ビーチにインスパイアされたウィッタリングス・ブルーを基本に、マンダリンのショルダー・ラインを配したエレガントな仕立てだった。

ロールス・ロイス・モーター・カーズのアジア太平洋地域ディレクターのアイリーン・ニッケインは、「スペクターは、ブランドの革新的な電気自動車の時代の始まりを告げ、スーパー・ラグジュアリーさとエレガンス、そしてエンジニアリングを兼ね備えた新たなロールス・ロイスの幕開けとなるモデルです」と述べた。

ロールス・ロイス・スペクター
ロールス・ロイス・スペクター    上野和秀

本社で電動化スペシャリストのフレッド・ウィットウェル氏も来場。「スペクターは初のBEVですので、エモーショナルな存在にするため既存のモデルと競合しない2ドアクーペにしました」と語る。電動モーターを前後で出力を変えている理由を聞くと、「FR車のリアから押し出す感覚を、BEVにも取り入れたかったからです」と答えてくれた。

スペクターの車両本体価格は4800万円と発表された。同じポジションにあったファントム・クーペが5435万円だったことを考えると絶妙な価格設定といえる。既に受注を開始しており、2023年第4四半期から納車が始まるという。なお、スペクターがスタートしたことによる増産は考えておらず、年産約6000台をキープするという。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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