技術的に劣る部分はない ハイファイ Xへ試乗 ツインモーターで599ps iXやEQS SUVが競合
公開 : 2023.07.30 08:25
中国の新興BEVブランドが提供する、大型SUVが欧州市場へ上陸。完成度の高さに、英国編集部は強い感銘を受けたようです。
もくじ
ーiXやEQS SUVに相当する大型の高級SUV
ータッチモニター群が存在感を示す車内
ー技術的に劣ると感じる部分はない
ー元JLRの技術者が関与 成功への確実な出発点
ーハイファイ X(欧州仕様)のスペック
iXやEQS SUVに相当する大型の高級SUV
中国の新興技術企業、ヒューマン・ホライゾンズ社が擁するバッテリーEVブランドのハイファイが、いよいよ欧州で戦いを繰り広げる。今回試乗したハイファイXは、BMW iXやメルセデス・ベンツEQS SUVなどと同じクラスに属する、大型の高級SUVだ。
このハイファイというブランドは、2019年に設立されたばかり。大型の4ドアサルーン、「Z」の方が登場は新しいものの、最先端のデジタル技術で未来のモビリティを牽引するというビジョンが、具現化されたモデルといえる。
同社によると、中国の自動車ユーザーは、搭載されるデジタル技術を重視する傾向があるという。またドイツの上級ブランドを含めて、既存メーカーは高級感や快適性と、デジタル技術とを融合させた驚きを提供できていないとも考えているらしい。
このハイファイ Xは、サルーンのZよりダイナミックでシンプルなスタイリングが特長。だが、プラットフォームとエアサスペンション、後輪操舵システムなどは共有している。
全長は5200mm、全幅が2062mmと大きいが、全高は1618mmと、このクラスのSUVとしては抑えられている。長く低く、ジャガー Iペイスを拡大したようなプロポーションといえる。このサイズを活かし、3列シート・レイアウトも用意される。
タッチモニター群が存在感を示す車内
2列シート・レイアウトでは、後席側はベンチタイプではなく、左右に独立したシートも指定できる。その場合は、ドアを開いた時に電気モーターでシートを外側へ動かし、乗降性を高められる。個別にリクライニングも可能だ。
リアドアは、ボディ後方にヒンジが付いたスーイサイド・スタイル。大きく開き、ドア上部のルーフも中央を軸に立ち上がるため、背を屈めることなく後席へ座れる。
インテリアは、ネットワーク化されたタッチモニター群が存在感を示す。ダッシュボード中央にメインのインフォテインメント用が据えられ、助手席側の正面にも1面あり、後席側にもタブレットサイズのモニターが左右へ用意されている。
運転席の正面にも、ワイドなメーター用モニターが鎮座している。今回の試乗時はインターネット通信が機能していなかったが、接続されれば、家電量販店のテレビ売り場のように感じるかもしれない。
インフォテインメント・システムは少々複雑。テスラのように、殆どの車載機能の操作系が、タッチモニターへ集約されている。ステアリングコラムやドアミラーの角度、エアコンの温度、リアドアの開閉といった操作も、モニターをタップすることになる。
走行中にモニターへ触れることは、基本的に難しい。一部の機能は、走行中に操作できなくなる。慣れるまでは、もどかしいかもしれない。
助手席側のモニターは、運転席から表示が見えにくく、運転中に気が散るということはないだろう。同乗者がいなければ、オフにもできる。