ダイハツの「認証不正」「仕入先火災」、新車販売への影響は? 2023年6月の実績を解説
公開 : 2023.07.04 07:15
ダイハツは、ロッキーの出荷停止に加え、仕入先の火災の影響を受けています。2023年6月の新車販売の実績にどのような影響が出ているか、確認してみましょう。
登録車のブランド別実績は?
日本自動車販売協会連合会がまとめた「登録車」の6月の新車販売台数は、前年同月比31.5%増(25万9794台)と、6か月連続でのプラスとなった。
登録車のブランド別新車販売台数では、部品の供給不足の影響が残るホンダが、前年同月比10.3%減(2万1080台)。
新車効果に一服感が出た三菱自が同6.1%減(4044台)。
そして認証手続きに不正があることが判明して「ロッキー」の出荷・販売を停止し、また仕入先での火災による部品欠品の影響で生産ラインの稼働停止を行ったダイハツが同59.3%減(1018台)と前年実績割れを記録。
一方、トヨタは同49.8%増(13万817台)、日産は同34.0%増(2万6678台)、マツダは同42.7%増(1万3280台)、スズキは同16.5%増(9402台)、レクサスは同143.8%増(8584台)、スバルは同4.6%増(6434台)と前年実績超えを果たした。
軽 スズキが10か月ぶりの首位
また、全国軽自動車協会連合会がまとめた「軽自動車」の6月の新車販売台数は、同2.0%増(13万2925台)と、10か月連続でのプラスとなった。
軽自動車のブランド別新車販売台数は、仕入先での火災による部品欠品の影響で生産ラインの稼働停止が発生した「ダイハツ」およびOEM供給先ブランドが苦戦を強いられた。
シェアトップに立ったのは前年同月比7.1%増(4万4329台)を販売したスズキで、10か月ぶりの首位を獲得。
前月首位のダイハツは、同5.3%増(4万1077台)にとどまって、第2位に陥落する。
また、ホンダは同11.0%減(2万2166台)、日産は同3.2%減(1万4073台)とマイナスに転じ、一方で「デリカ・ミニ」が販売台数を押し上げた三菱自は同29.6%増(4573台)とプラスを成し遂げた。
そしてOEM供給を受けるブランドでは、マツダが同21.2%増(2804台)とプラスを記録したものの、トヨタは同15.9%減(2617台)、スバルは同17.2%減(1296台)と前年実績を下回った。
プラスでも「伸びは鈍化」か?
結果として、登録車と軽乗用車のトータルでの6月の国内新車販売台数は、同19.8%増(39万2719台)と、10か月連続での前年実績超えを達成した。
6月の新車販売の動向に関して業界団体の関係者は、「新型コロナウイルス感染拡大前の2019年6月の45万397台にはまだ及んでいない」とし、「ダイハツが側面衝突試験の認証手続き不正によってロッキーとOEM供給のトヨタ・ライズのハイブリッド車を出荷停止していることに加え、仕入先での火災による部品欠品の影響で生産ラインの稼働停止期間の延長および稼働停止工場の追加を実施したことも、販売台数の伸びの鈍化につながっている」と示唆する。
今後については、「新車需要は新型車を中心に底堅く、また発売スケジュールが遅れていた新型車や特別仕様車が夏に向けて各メーカーから相次いで発売される見込み。さらに、前年同期の販売台数が低迷していたことから、来月以降も前年実績を上回る可能性が高い」と説明した。
なお、2023年上半期(2023年1月~6月)の新車販売の成績は、登録車が前年同期比21.7%増(156万4335台)と2年ぶりのプラス。
軽自動車が同10.7%増(88万6265台)と2年ぶりのプラス。トータルで、同17.5%増(245万600台)と、2年ぶりで前年実績を上回っている。