まるで違う意外な兄弟車 21選 見た目も性能もまったく別物? 柔軟すぎる部品共有

公開 : 2023.07.15 18:05

自動車の基本構造「プラットフォーム」を共有するモデルは、兄弟車・姉妹車などと呼ばれます。今回は、見た目や性能がまったく違うけれど実は親戚関係にあるという意外なクルマたちを紹介します。

もくじ

実は親戚関係にある意外なクルマたち
プラットフォーム共有とは?
アウディTT - PQ35(第2世代、2006年〜2014年)
フォルクスワーゲン・ザ・ビートル - PQ35(2011年~2019年)
シボレー・インパラ - イプシロンII(10代目、2014年~2020年)
オペル/ヴォグゾール・インシグニア - イプシロンII(第2世代、2017年以降)
サーブ9-5 - イプシロンII(第2世代、2009~2012年)
フォード・フェアモント - フォックス(1977~1983年)
フォード・マスタング - フォックス(第3世代、1978~1993年)
リンカーン・コンチネンタル -フォックス(第7世代、1981~1987年)
フォード・フォーカス - C1(第2世代、2004~2014年)
マツダ3 - BK(初代、2003~2014年)
フォード・モンデオ - EUCD(第3世代、2007~2014年)
ランドローバー・フリーランダー2/LR2 - EUCD(2006~2014年)
ボルボS80 - EUCD(第2世代、2006~2016年)
三菱ランサー・エボリューションX - GS(2008~2016年)
ジープ・コンパス - MK(初代、2006~2016年)
日産フェアレディZ- FM(2009年~)
インフィニティFX - FM(初代、2003~2008年)
プジョー・パートナー - PF2(2代目、2008~2018年)
プジョーRCZ - PF2(2010~2015年)
サターン・オーラ - イプシロン(2006~2009年)
フィアット・クロマ - イプシロン(第2世代、2005~2010年)

実は親戚関係にある意外なクルマたち

ここに写るランドローバーフリーランダー2とボルボS80の共通点とは? 見た目はまったく似ていないし、同じ屋根の下で製造されたわけでもなく、ターゲットとする顧客層もまったく異なる。その答えを見つけるには、ボディをはがす必要がある。

実はこの2台、どちらも同じ基本構造(プラットフォーム、車台)で作られているのだ。また、第3世代のフォード・モンデオにも同じ構造が使われている。

ぱっと見で、ランドローバー・フリーランダー2(下)とボルボS80(上)の関係性を認識できる人はどれだけいるだろうか。
ぱっと見で、ランドローバー・フリーランダー2(下)とボルボS80(上)の関係性を認識できる人はどれだけいるだろうか。

プラットフォーム共有は自動車業界では一般的なことだ。メーカーは、自社ブランドや取引関係にある他社ブランドなど複数のブランドに投資を分散することで、増大する自動車開発コストを相殺している。今回は、意外な親戚関係にあるクルマたちを見てみよう。

プラットフォーム共有とは?

21世紀におけるプラットフォームの共有は、1960年代のように単純なものではない。共通のアーキテクチャーの上に作られた多くの車両は、フロアパンは異なるが、サブフレーム、サスペンション部品、ステアリング・アセンブリ、電気系統、安全技術などの部品を共有している。

パーツを共有することについて自動車メーカーを非難するつもりはない。現代の自動車技術がいかに柔軟になっているかを示しているのだ。

フォルクスワーゲンの「MQB」プラットフォーム
フォルクスワーゲンの「MQB」プラットフォーム

アウディTT – PQ35(第2世代、2006年〜2014年)

アウディが初代TTをA3と同じプラットフォームで開発したのは、コストを抑えるためであり、決して目玉が飛び出るほど高価なスーパーカーを作るためではなかった。2代目TTも、当時の現行モデルであるA3と同じ「PQ35」プラットフォームを採用している。エンジニアたちは、このプラットフォームを先代のPQ34よりも柔軟なものにするために多大な労力を費やしたため、TTはジェッタとゴルフのような失態を演じることはなかった。

アウディTT - PQ35(第2世代、2006年〜2014年)
アウディTT – PQ35(第2世代、2006年〜2014年)

フォルクスワーゲン・ザ・ビートル – PQ35(2011年~2019年)

フォルクスワーゲンを象徴するリアエンジンのビートルの最終形態、ザ・ビートルは「PQ35」プラットフォームで製造された。デザイナーは新しい骨格を生かし、先のニュー・ビートルよりも長く、低く、ワイドで、広々としたスタイルに仕上げた。しかし、フォルクスワーゲンは現在、ビートルのさらなる後継車をリリースする予定はないとしている。もしあるとすれば、ID.3で使われているEV専用のMEBを採用する可能性が高い。

フォルクスワーゲン・ザ・ビートル - PQ35(2011年~2019年)
フォルクスワーゲン・ザ・ビートル – PQ35(2011年~2019年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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