カーターカー

カーターカーは、今日の無段変速機(CVT)に相当する独創的な初期のフリクションドライブ・トランスミッションのパイオニアであった。このシステムの維持費は、当時の基準からすると非常に安価だったと言われている。

ゼネラルモーターズの創業者であるウィリアム・デュラント氏(1861-1947)は、フリクションドライブに魅了され、1909年に同社を買収した。デュラント氏はその直後にGMから追放され、1915年に(シボレーで築いた財産を元手に)GMに復帰するが、彼が不在の間にカーターカーは閉鎖されてしまった。

カーターカー
カーターカー

(写真:カーターカー・モデル7ツーリング)

シボレー・ヨーマン

世界中のモーターファンがカマロコルベットといったシボレーの名車を知っているが、ヨーマンという名前を聞いたことがある人は少ないだろう。当時、シボレーのフルサイズのステーションワゴンの中で最も安く、装備も簡素だった。

無駄な装飾は一切なく、ただ広いスペースが欲しいという人にはうってつけのクルマであった。同様の設計思想は、ブルックウッドとして知られるいくつかのモデルに採用されたが、ヨーマン自体は1958年モデルとして販売されただけで、ほんの一瞬の出来事だった。

シボレー・ヨーマン
シボレー・ヨーマン

クライスラーエアストリーム

クライスラー・エアフローは、完全な流線型を持つ初期の量産車の1つであり、その外観は当時からすると非常に奇妙に見えた。フェイスリフトを行った後でも、顧客は別のものを買うことにした。

それがエアストリームだが、現代の読者にはあまりになじみが薄いかもしれない。基本的には1920年代のクライスラー・シックスを改良したもので、技術的にはそれほど冒険的なものではなかった。流線型ではあったものの、エアフローより受け入れやすい外観だった。また、4年間(1934年から1937年)生産されたエアフローに対し、2年間(1935年と1936年)しか生産されなかったが、はるかに安価であったことも有利に働いた。

クライスラー・エアストリーム
クライスラー・エアストリーム

シトロエンGS

理由はまったく異なるが、2CVとDSはシトロエンの歴史における2つの頂点を象徴する、素晴らしいクルマとして評価されている。1970年から1986年まで生産されたGS(後にGSAと呼ばれる)は、その間の大きなギャップを埋めるために登場したモデルであり、同じように評価されていいものだが、なぜかそうではない。

モータージャーナリストのレナード・セットライト氏(1931-2005)が「レミング(タビネズミ)のように平凡な海に向かって突進する」と評したのとは対照的に、GSは滑らかなフラット4エンジン(低重心を実現)、セルフレベリング・サスペンション、非常に空力的なボディを備えた超ハイテクなモデルである。シトロエン以外のメーカーは、GSが残してくれた教訓をほぼ無視し、GSはやがて不当に、無名の存在へと落ちていった。

シトロエンGS
シトロエンGS

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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