誰も知らないマイナー車 40選 前編 名車の影に隠れた不運でマニアックなクルマたち
公開 : 2023.07.16 18:05
カーターカー
カーターカーは、今日の無段変速機(CVT)に相当する独創的な初期のフリクションドライブ・トランスミッションのパイオニアであった。このシステムの維持費は、当時の基準からすると非常に安価だったと言われている。
ゼネラルモーターズの創業者であるウィリアム・デュラント氏(1861-1947)は、フリクションドライブに魅了され、1909年に同社を買収した。デュラント氏はその直後にGMから追放され、1915年に(シボレーで築いた財産を元手に)GMに復帰するが、彼が不在の間にカーターカーは閉鎖されてしまった。
(写真:カーターカー・モデル7ツーリング)
シボレー・ヨーマン
世界中のモーターファンがカマロやコルベットといったシボレーの名車を知っているが、ヨーマンという名前を聞いたことがある人は少ないだろう。当時、シボレーのフルサイズのステーションワゴンの中で最も安く、装備も簡素だった。
無駄な装飾は一切なく、ただ広いスペースが欲しいという人にはうってつけのクルマであった。同様の設計思想は、ブルックウッドとして知られるいくつかのモデルに採用されたが、ヨーマン自体は1958年モデルとして販売されただけで、ほんの一瞬の出来事だった。
クライスラー・エアストリーム
クライスラー・エアフローは、完全な流線型を持つ初期の量産車の1つであり、その外観は当時からすると非常に奇妙に見えた。フェイスリフトを行った後でも、顧客は別のものを買うことにした。
それがエアストリームだが、現代の読者にはあまりになじみが薄いかもしれない。基本的には1920年代のクライスラー・シックスを改良したもので、技術的にはそれほど冒険的なものではなかった。流線型ではあったものの、エアフローより受け入れやすい外観だった。また、4年間(1934年から1937年)生産されたエアフローに対し、2年間(1935年と1936年)しか生産されなかったが、はるかに安価であったことも有利に働いた。
シトロエンGS
理由はまったく異なるが、2CVとDSはシトロエンの歴史における2つの頂点を象徴する、素晴らしいクルマとして評価されている。1970年から1986年まで生産されたGS(後にGSAと呼ばれる)は、その間の大きなギャップを埋めるために登場したモデルであり、同じように評価されていいものだが、なぜかそうではない。
モータージャーナリストのレナード・セットライト氏(1931-2005)が「レミング(タビネズミ)のように平凡な海に向かって突進する」と評したのとは対照的に、GSは滑らかなフラット4エンジン(低重心を実現)、セルフレベリング・サスペンション、非常に空力的なボディを備えた超ハイテクなモデルである。シトロエン以外のメーカーは、GSが残してくれた教訓をほぼ無視し、GSはやがて不当に、無名の存在へと落ちていった。