誰も知らないマイナー車 40選 後編 名車の影に隠れた不運でマニアックなクルマたち
公開 : 2023.07.16 18:25
100年にわたってさまざまな自動車が設計・製造されてきましたが、そのすべてを知る人はおそらくいないでしょう。今回は一部のマニアしか知らないような、世界的に知名度の低いクルマを紹介します。
もくじ
ーラサール・シリーズ340
ーリンカーン・リド
ーマルケット
ーメルセデス35HP
ーMG SA
ー日産Be-1
ーNSU Ro80
ーオペル24/110
ープジョー204
ーポルシェ912
ールノー16
ーロールス・ロイス20HP
ーシムカ1100
ースコダ422
ートヨタ・センチュリー
ートライアンフTR250
ーヴォグゾール10-4
ーヴァイキング
ーフォルクスワーゲン・ヴィロラン
ーボルボPV36
ラサール・シリーズ340
ラサールは、キャデラックの兄弟ブランドであるが、ゼネラルモーターズ傘下で1927年から1940年までしか営業していなかったため、今日ほとんどの人に馴染みがない。しかし、そのモデルはどれも印象的なものだ。
どのモデルもここで紹介する価値があるが、今回は1930年モデルのみ販売されたシリーズ340を取り上げる。5.6L V型8気筒エンジンを搭載し、フリートウッドのボディのいずれかを選択することができた。
リンカーン・リド
20世紀半ば、フォードはライバルのクライスラーやゼネラルモーターズよりもハードトップ・クーペを発売するのが遅れていた。そこで、4車種をほぼ同時に発売することになった。自ブランドのクレストライン、マーキュリー・モントレー、そして最も高級なブランドであるリンカーン・コスモポリタン・カプリとリドである。
リド(パンフレットには「これほど魅力的なカスタマイズを施したクルマはほとんどない」と書かれている)には多くの魅力があったが、同じメーカーから出た3つの類似モデルと、他のビッグスリーから出た定評あるライバルを相手に売り込むのは難しかった。1950年と1951年のモデルでは売れ行きは芳しくなく、その後販売中止となった。
マルケット
GMにはマルケットと名付けられた2つのブランドがある。最初のマルケットは1909年から1912年までしか存続しなかったし、2番目のマルケット(今回取り上げるブランド)はさらに短命だったため、どちらも今日では有名ではない。ビュイックの兄弟ブランドであり、6つのモデル名があったが、すべて同じクルマでボディスタイルが異なっていた。
ウォール街の大暴落とそれに続く恐慌が発生した1929年に生産されたこともあり、ビュイックのどのモデルよりも安価であった。米国とカナダの工場での総生産台数は約4万台で、需要があったことは明らかだが、GM社内の不穏な空気により、わずか1シーズンで生産中止となる。奇妙なことに、マルケットの3.5L直6エンジンはその後、オペルのトラックに使用された。
メルセデス35HP
35HPは、ダイムラーのエージェントの1人であるエミール・イェリネック氏(1853-1918)の依頼で設計された。彼は、19世紀において自動車の重心を通常よりも低くすることの重要性を認識していた。1901年に登場した35HPは、パワフルな5.9Lエンジンによって強力な競技車両となり、公道向けの量産車としても優れた能力を発揮した。
イェリネック氏はこのクルマに娘の名前を使った。その後、ダイムラーがその名前を登録し、1世紀以上にわたって自社のクルマに使ってきた。たとえ35HPを知らない人でも、メルセデスの名は聞いたことがあるだろう。