誰も知らないマイナー車 40選 後編 名車の影に隠れた不運でマニアックなクルマたち

公開 : 2023.07.16 18:25

プジョー204

2023年現在、クルマにそこそこ興味のある人なら、最初の偉大なプジョーは205だと考えるのが妥当だろう。もっと古い504も歴史に名を残すが、かつて高く評価された204については、悲しいかな、もはやあまり語られることはない。

プジョーは前輪駆動方式の採用に遅れをとり、1965年の204で初めて採用したが、ディーゼルエンジンをいち早く搭載し、複数のボディスタイルを設定。セダン、ステーションワゴン、クーペ、バンに加え、非常にスマートなコンバーチブルもあった。全体として大成功を収め、204は1969年から1971年にかけてフランスの販売台数チャートをリードした。

プジョー204
プジョー204

ポルシェ912

この写真のクルマは、誰もが知るポルシェ911によく似ている。実際のところ、これはポルシェ912であり、4気筒空冷エンジンを搭載していることを除けば、多かれ少なかれ同じものである。

911を基準にすると、912のパフォーマンスは期待外れだったが、エンジンが軽いことがハンドリングの向上に寄与しているとマニアは言うだろう。また、安価で経済的であったため、1965年から1969年までポルシェの門戸を広げていたと言える。これはすべて、1976年モデルに北米でのみ販売された912Eにも当てはまる。

ポルシェ912
ポルシェ912

ルノー16

言葉の定義にもよるが、ルノー16は2ボックスのボディスタイルと複数のシート構成を持つ、現代的な意味での初のハッチバックであったことは間違いない。

それとはまったく別に、ルノー16はオールアルミ製のクレオン・アルー・エンジンを搭載した最初のクルマでもあった。このエンジンは後に多くのルノー車に搭載されることになり、世界ラリー選手権で優勝したアルピーヌA110ロータス・エウロパという、16とは大きく異なるモデルにも搭載された。

ルノー16
ルノー16

ロールス・ロイス20HP

40/50の「シルバーゴースト」よりも小さく、軽く、安価な20HPは、運転手を雇う余裕のない、あるいは単に自分で運転することを好むオーナー向けの新しいタイプのロールス・ロイスだった。1922年10月に発表された当時、そのシンプルなデザインは万人に受け入れられるものではなかった。

外観を巡る騒ぎはやがて沈静化し、20HPは今ではあまり知られていないロールス・ロイスの1つとなった。1929年に後継の20/25が登場するまで、20HP は2940台が製造された。

ロールス・ロイス20HP
ロールス・ロイス20HP

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事