誰も知らないマイナー車 40選 後編 名車の影に隠れた不運でマニアックなクルマたち

公開 : 2023.07.16 18:25

シムカ1100

2年前に登場したルノー16と同様、1967年のシムカ1100は、折りたたみ式リアシートを備えた前輪駆動のハッチバックだが、エンジンが縦置きではなく横置きに搭載されるという、より現代的な特徴も備えている。車名から、エンジンの排気量は1.1Lと思われがちで、一部事実であったが、小型のものと大型のものも用意されていた。

ボディスタイルはハッチバックだけでなく、ステーションワゴン、ピックアップトラック、バンも選択できた。1974年に登場した1100Tiは最高出力82psというパフォーマンスを発揮し、フォルクスワーゲン・ゴルフGTiに2年先駆けて世界初のホットハッチと呼ばれることもある。

シムカ1100
シムカ1100

スコダ422

今となっては信じがたいことだが、20世紀後半、スコダはジョーク・ブランドと見なされていた。それは従業員の才能が不足していたからではなく、共産主義時代に資金不足に陥っていたからだ。

第二次世界大戦以前は、状況は大きく異なっていた。1929年から1932年まで製造された422は、当時の小型大衆車にはあまり見られない品質を誇る。装備が充実しており、シートの座り心地もよく(特に後部座席は広々としている)、かつてのスコダの姿を今に伝えるモデルである。

スコダ422
スコダ422

トヨタセンチュリー

センチュリーは日本以外ではほとんど知られていない。皇族や一部の政治家、富裕層、権力者のみが購入できる、トヨタのフラッグシップ・ラグジュアリーモデルである。1967年以来、1997年と2018年のアップデートを含めてわずか3世代しか生産されていない。

第1世代は4.0LのV型8気筒エンジンを搭載するが、第2世代にはセンチュリーのために開発されたトヨタ初のV型12気筒エンジンが搭載された。

トヨタ・センチュリー
トヨタ・センチュリー

トライアンフTR250

トライアンフのTRシリーズの中で唯一、車名に3桁の数字が付くTR250の知名度は、国によって大きく異なる。本国英国では(トライアンフ愛好家やクラシックカー専門家を除いて)ほとんど知られていないが、米国でははるかに親しまれている。

TR250は、2.5L直6エンジンがフューエル・インジェクションからキャブレターに変更されたことを除けば、1960年代後半のTR5とほとんど同じものだ。その結果、出力は150psから104psに急落するという悲惨な結果を招いたが、北米での販売には適していたようだ。通常のTR5は2947台しか生産されなかったが、TR250は8484台を売り上げるほど人気があった。

トライアンフTR250
トライアンフTR250

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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