日本初公開フェラーリ・デイトナSP3のディテールを現場からレポート
公開 : 2023.07.06 08:42
富士スピードウェイで開催されたフェラーリ・レーシング・デイズで、新コンセプトの限定モデルであるイーコナ・シリーズの最新モデル『フェラーリ・デイトナSP3』が日本初公開されました。
イーコナ・シリーズ最新作『デイトナSP3』
富士スピードウェイで開かれたフェラーリ・レーシング・デイズで、イーコナ・シリーズの最新作、デイトナSP3が披露された。もともと特別な存在のフェラーリだが、ラ フェラーリやエンツォなどのプレミアム・ラインのほかに、往年の名車をモチーフとした新たな限定シリーズとしてスタートしたのが「イーコナ」だ。
「イーコナ」とは英語でアイコンを意味するイタリア語。過去のアイコン的な名車のパッションを、時を超えたスタイルで実現。そこに最新の技術と最高のパフォーマンスを内包したものだ。フェラーリを知り尽くしたオーナーのために2018年に499台限定で送り出されたのは、1954年に登場した750モンツァをモチーフとしたシングルシーターのモンツァSP1と、2シーターのモンツァSP2だった。イーコナ・シリーズの第3弾として2011年11月に公表されたのが、限定599台が作られるデイトナSP3である。
デイトナの由来は
モンツァSP1/SP2は往年の名車をモチーフにしていたが、デイトナSP3は1967年の世界スポーツカー選手権の開幕戦となるデイトナ24時間レースにちなんだものである。フェラーリはデイトナ24時間レースで330P3/4が優勝を果し、そこに330P4と330P3/4が続き、ライバルであるフォードの地元で1-2-3フィニッシュを成し遂げた。
この快挙にちなんでイーコナ・シリーズの3作目は、デイトナを制した最も美しいレーシング・マシンと称される330P3/4をモチーフにしてデザインされた。330P4がミドシップ・レイアウトだったことから、デイトナSP3はミドに12気筒エンジンを搭載する。スタイリングも330P4を現代的に解釈したものとされた。
V12エンジンは840psを発揮
デイトナSP3のミドに搭載されるのはエンツォ・フェラーリに端を発するF140系の65° V12自然吸気エンジンで排気量は6496cc。形式はF140HCとなる。812コンペティツィオーネ用F140HBエンジンをミド搭載用に変更すると共に、吸気系を短縮し、可変ジオメトリー吸気ダクトの採用や、専用カムシャフトが組まれた。これらの改良によりF140HBに較べ10psアップした840psを9250rpmで発揮する。最高許容回転数は9500rpmと、まさに究極の12気筒エンジンとなった。
トランスミッションは7速DCT F1を組み合わせる。パフォーマンスも超弩級で、最高速度は340km/h、0-100km/h加速は2.85秒、0-200km/h加速は7.4秒でこなす。