アルファ・ロメオ・ステルヴィオ 詳細データテスト 乗り心地は硬め 軽さゆえの動力性能 楽しい走り

公開 : 2023.07.08 20:25  更新 : 2023.08.11 19:44

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

兄弟分のセダンであるジュリアとともに、ステルヴィオは6年前の登場時、はっきりとしたデザイン面の主張がみられた。他のプレミアムブランドがよりアグレッシブに、凝り気味に、もしくはメカメカしくしようとしていたのに対し、アルファ・ロメオはよりクラシックな見栄えのよさに注意し、ステルヴィオではそれを背の高いSUVでどのように表現できるか示したのだ。それは、新型車のトナーレとの共通性を持たせようとした改修の後でも変わらない。

デザイン変更は軽度で、フロントインテークの形状と仕上げに手を入れ、新型のマトリックスLEDヘッドライトを装着した程度だ。ホイールのデザインはキャリーオーバーで、サイズは19~21インチ、カラーバリエーションも展開される。タイヤは、最上位のクアドリフォリオを除き、全車ランフラット仕様だ。

エンジンは3機種。テストした2.0Lガソリンのほか、2.1Lディーゼルと、クアドリフォリオの2.9LガソリンV6で、すべてターボ過給だ。
エンジンは3機種。テストした2.0Lガソリンのほか、2.1Lディーゼルと、クアドリフォリオの2.9LガソリンV6で、すべてターボ過給だ。    JOHN BRADSHAW

ジョルジオ・プラットフォームは、ほかのプレミアムブランドがミッドサイズSUVに用意しているような電動化技術へは対応できないかもしれない。しかし、少なくとも重量軽減には寄与している。トリノによる公称重量は、最軽量仕様が1660kgとなっているのだ。

テストした2.0Lターボガソリンのヴェローチェは、燃料半分の実走状態で1784kg。このサイズのSUVで2tを超えるPHEVやEVがおなじみになった昨今、この数字はちょっとばかり気分をアゲてくれる。

かつてはガソリン3機種とディーゼル2機種を揃えたステルヴィオだが、合計3機種へと整理された。テストした280psの2.0Lターボガソリン以外は、210psの2.1Lターボディーゼルと、最上位のクアドリフォリオ用V6ターボだ。すべて8速ATと、Q4と呼ばれるクラッチ式4WDシステムを組み合わせる。Q4システムは、主に後輪を駆動し、スリップを検知するとフロントへ最大50%の駆動力を配分。また、DNAシステムで選択した走行モードによっても変わる。ヴェローチェ仕様には、リアLSDも加わる。

サスペンションは四輪独立で、フロントがダブルウィッシュボーン、リアが特許取得のアルファリンクこと4.5リンク。スプリングはスティールのコイルで、一般的な前輪ステアリングとパッシブスタビライザーを装備する。アダプティブダンパーは、特別仕様のコンペティツィオーネに装備されるが、通常モデルにはオプションでも設定がない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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