完璧な無音と無振動 ロールス・ロイス・スペクターへ試乗 卓越のドライバーズクーペ 後編

公開 : 2023.07.11 08:26

カーブの連続する道を巧みに駆け抜ける

カーブ以外での姿勢制御は、かなりソフト。舗装が剥がれたような穴や、隆起部分を中低速で通過すると、稀に緩やかな上下動が伝わってくる。エアサスペンションのモデルでは、一般的な振る舞いといえるだろう。

ステアリングホイールの重み付けは理想的といえ、常に感触は安定している。速度域を問わず、操舵に必要な手の力は同じ。セルフセンタリング性も変わらない。アクティブ後輪操舵システムの介入具合によっては、小さな違和感を感じることもあるけれど。

ロールス・ロイス・スペクター(北米仕様)
ロールス・ロイス・スペクター(北米仕様)

今回の試乗で筆者が最も感銘を受けたのが、スポーティだとメーカーが主張しない、車重が3t近くあるクルマでありながら、カーブの連続する道を巧みに駆け抜けること。ボディロールは最小限で、コーナー出口から余裕のパワーで勢いよく脱出してみせる。

これまでの素晴らしいロールス・ロイスと同様に、スペクターの体験は別格。卓越の仕上がりといえ、それでいて運転する喜びも備わる。このブランドを長年指名してきたユーザーも深く納得するであろう、成功作といえそうだ。

ロールス・ロイス・スペクター(北米仕様)のスペック

英国価格:33万ポンド(約5575万円)
全長:5453mm
全幅:2080mm
全高:1559mm
最高速度:−km/h
0-100km/h加速:4.5秒
航続距離:529km
電費:5.1km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2890kg
パワートレイン:ツイン他励同期モーター
駆動用バッテリー:102kWh(実容量)
急速充電能力:195kW
最高出力:584ps
最大トルク:91.6kg-m
ギアボックス:シングルスピード/四輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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