新型キアEV9 大胆スタイルで欧州発売、約1200万円から 1回の充電で540km走行可能

公開 : 2023.07.06 19:05  更新 : 2023.07.06 19:11

キアのフラッグシップ電動SUV「EV9」が欧州で発売されました。古典的な2ボックスのシルエットに、挑戦的なディテールを盛り込んだユニークなデザイン。そして持続可能性に配慮した広い室内空間も特徴の1つです。

キア最大級のフルサイズSUV

韓国の自動車メーカーであるキア(起亜自動車)は、フラッグシップの電動SUV「EV9」を今年後半に英国に導入予定だ。価格は6万4995ポンド(約1200万円)からとなる。

新型EV9は、キアのEV専用ラインナップの2番目のモデルである。キアは2027年までにハッチバックやクロスオーバーを含む15車種のEVをグローバルに発売し、今後7年間で欧州でのEV販売を28.5%増加させる計画だ。

キアEV9 GTライン
キアEV9 GTライン    キア

キアは、「未来のモビリティ市場をリードし、持続可能な製品を開発する」ために、今後の新型車で注力する4つの主要な製品特性を強調している。性能、デザイン、コネクティビティ・サービス、自動運転技術だ。EV9は車載ソフトウェアの無線アップデートを同社で初めて実装したほか、先進の運転支援システムを搭載し、環境負荷の低い素材を34kg使用しているという。

EV9は全長5010mm、ホイールベース3100mmと、米国市場向けのテルライド(全長5000mm、ホイールベース2900mmのエンジン車)より長く、容量99.8kWhの800Vバッテリーを搭載する。1回の充電での航続距離は最大540kmとされ、急速充電によりわずか15分間で238km分の航続距離を確保できるという。

シングルモーターの後輪駆動車は最高出力203ps、最大トルク35.7kg-mで0-100km/h加速9.4秒を達成する。デュアルモーターの四輪駆動車では最高出力383ps、最大トルク61.1kg-mに向上し、0-100km/h加速は6.0秒となる。

車両購入後にダウンロード可能な「ブースト」機能をインストールすると、トルクが71.3kg-mに向上し、0-100km/h加速で5.3秒を達成できるという。

容量76.1kWhのバッテリーを搭載したエントリーモデルも設定されるほか、高性能モデルのEV9 GTも後日登場する予定だ。また、スポーツ志向の高性能モデルとしてEV9 GTも計画中で、キアは今後のラインナップにおいて性能が重要な焦点となるとしている。

一部の市場では、15個のセンサー(2個のLiDARセンサーを含む)を使用し、「一定条件下」でレベル3の自動運転が可能な「ハイウェイ・ドライビング・パイロット」システムも導入される予定だ。

正統派SUVのシルエット

デザインにおいても、新しい時代の幕開けを告げるものとされる。キアのチーフ・ブランド・オフィサーであるアルトゥール・マーテンス氏によれば、EV9の役割はこの点で特に重要であり、「消費者がわたし達のブランドに対して抱くイメージを再構築し続ける助けになる」という。

3列シートを備えたEV9は、キアで最も大型のモデルであると同時に、最も高価なモデルとなる。エントリーグレードの「エア」は、540kmの航続距離を実現し、6万4995ポンド(約1200万円)から。よりスポーティな「GTライン」は7万2495ポンド(約1330万円)から、「GTラインS」は7万5995ポンド(約1390万円)からで、6人乗りのGTラインSは7万8745ポンド(約1440万円)からとなっている。

キアEV9 GTライン
キアEV9 GTライン    キア

EV9のデザインは、BMW出身のカリム・ハビブ氏が初めて総指揮を執った。ハビブ氏は今後のすべてのモデルのデザインについて、「マトリョーシカ」のようなアプローチを追求することなく、明らかな視覚的つながりを持たせると説明している。

キアは、EV9のデザインアプローチを「相反するもの」と呼び、「洗練された彫刻的デザインと自信に満ちたジオメトリーのユニークな融合」によってそれを実現したと述べている。

しかし、クロスオーバーライクなEV6よりも、はるかにSUVらしいデザインとなっている。ハビブ氏は「EV9はSUVであり、その類型を明確にしたかった」と説明し、ブラックのボディクラッディングや、くっきりとした2ボックスのシルエットを例に挙げた。

「非常にアップライトで、正統派SUVのタイポロジーを受け継いでいます」

AUTOCARがもっと型破りなシルエットにしなかった理由を尋ねると、ハビブ氏は「こういった正統派の、率直で箱型のSUVには、本当にいいものがあります。ランドローバーディフェンダーを見ると、新旧を問わず、何かとてもクールなものがあることがわかります」と答えた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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