新型キアEV9 大胆スタイルで欧州発売、約1200万円から 1回の充電で540km走行可能
公開 : 2023.07.06 19:05 更新 : 2023.07.06 19:11
違和感デザインは意図的なもの
ハビブ氏は、初代ランドローバー・ディフェンダーがボディパネルに単純に曲げ加工を施していることにインスピレーションを受けたとし、それがEV9のミニマルで直線的なディテールに影響を与えたと語る。
リアクォーターの特徴的な台形の折り目、長く伸びたグラスハウス、寝かせたリアウィンドウのライン、印象的な新デザインのホイール、そしてフロントとリアの「スターマップ」LEDライトシグネチャーなど、後のモデルにも影響を与えることになるデザイン要素が数多く含まれている。
キアの「タイガーフェイス」グリルの最新バージョンもここで初披露となる。エンジン冷却の必要がないため、背面から照らすLEDライトのパターンをカスタマイズできる、広大で滑らかなパネルになっている。
ヘッドライトとブレーキライトも重要なデザイン的役割を果たし、EV9を可能な限りワイドに見せるため、ボディの角に縦向きに配置されている。
ハビブ氏は、今後発売されるモデルにも、同じように個性的なキャラクターを持たせていくと語った。「わたし達はリスクテイカーでありたい。これは、何百万も売らなければならないものをデザインする上での課題です」
「キアの製品は、わたし達自身にとっても、最初は少し未知で、少し違和感を感じるものであってほしい。それを乗り越えていくうちに、わたし達は製品によってより豊かに、より刺激を受けるようになると信じています。そして、そのプロセルはお客様にも感じていただけるものであってほしい」
単なる移動手段にならない空間
インテリアでは先進の車載技術、持続可能な高級素材、独自のパッケージング・ソリューションを導入しており、キアによれば、「自動車は人をA地点からB地点に移動させるだけの乗り物ではなくなりつつある」ことを反映したものだという。
ダッシュボードの上部には、3枚のスクリーンを収容するデジタルパネルが置かれ、その両脇にはデジタルミラーディスプレイ(オプション)が備わる。
インテリアのデザイン責任者であるヨッヘン・パエセン氏は、次のように語っている。
「スクリーンやデジタルコンテンツが主流になることは望んでいませんが、特に無線アップデートやオンデマンド機能は、今日のクルマに不可欠な要素となっています。今後も成長し、可能性の幅が広がっていくでしょう。しかし、わたし達はそのバランスを取る必要があると感じています。スクリーンに支配されてはいけません。スクリーンが突然、クルマの主要部分になるようなことがあってはならないのです」
EV9では、EVならではのフラットフロア構造を活用し、広さだけでなく、新しいパッケージングも試みている。6人乗り仕様では、2列目シートの回転機構により、後部座席の4人が向かい合って座ることができる。
フロントシートの背面にはトレイテーブルが設置され、後部座席用のデジタル空調操作パネルも備わるなど、快適性と先進性を強調したインテリアとなっている。