メルセデス・ベンツ 新型「CLE」クーペ/カブリオレ 11月より欧州発売、4車種を統合

公開 : 2023.07.07 06:45

CクラスEクラスの融合 プロトタイプ同乗試乗

4モデルあったものが2モデルに。これは、メルセデス・ベンツがCクラスとEクラスのクーペ/カブリオレをCLEクーペとCLEカブリオレに置き換えた結果だ。

AUTOCARがドイツ・ジンデルフィンゲンにあるメルセデス・ベンツの工場周辺の滑らかな道路を開発用プロトタイプで同乗試乗したところ、従来のモデルから大きく逸脱しておらず、オンロードでのキャラクターで引き継いでいることがわかった。

同乗試乗したメルセデス・ベンツCLEクーペのプロトタイプ
同乗試乗したメルセデス・ベンツCLEクーペのプロトタイプ    AUTOCAR

室内は、Cクラス・セダンやエステート(ステーションワゴン)のデザインを踏襲している。しかし、低めに設定されたフロントシートポジションにより、助手席からよりスポーティなフィーリングを味わうことができた。最新バージョンのMBUXと連動するインフォテインメント・システムは、ディスプレイの反応速度の高速化と解像度の向上をもたらしている。

直列6気筒ガソリン仕様では、スムーズで楽なパフォーマンスを見せる。メカニカルな洗練性は素晴らしく、プロトタイプでありながら、一般的な高速道路の巡航速度で風切り音を遮断する能力も高い。

メルセデス・ベンツの新型車のテスト責任者であるクリストフ・クーナー氏は、CLEクーペに落ち着いた長距離クルージングの資質を与えるために多くの努力が払われたと語る。それは明らかだ。

ドライバーがスポーツモードに設定すると、合成サウンドジェネレーターが聴覚的な嗜好をさらに高めてくれるが、洗練感を維持するために人工音をオフにすることもできる。

CLEクーペは、曲がりくねった道でもシャープに旋回し、満足のいく俊敏性を発揮する。これは、オプションの後輪操舵システム(操舵角2.5度)のおかげでもある。

乗り心地にはグランドツアラーらしい魅力があり、本質的に硬めのスプリングレートと優れたダンピングコントロールが組み合わされ、オプションのサスペンションでは張りのある、しかし制御されたレスポンスを提供する。

メルセデス・ベンツのMRAプラットフォームをベースとする最後の内燃機関モデルの1つであるCLEクーペ。今回はプロトタイプの助手席での同乗試乗だったが、今年後半には製品版に試乗することができるだろう。

しかし今のところ、メルセデス・ベンツはCクラスとEクラスのクーペの長所を生かし、アウディA5BMW 4シリーズが苦戦を強いられそうな魅力的なパッケージにまとめることに成功しているようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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