7シリーズへ劣らず快適至極 BMW X7 xドライブ40d Mスポーツへ試乗 小変更

公開 : 2023.07.20 08:25

フェイスリフトで見た目の大胆さを一層強めたX7。3.0L直6ディーゼルターボの40dを、英国編集部が評価しました。

48VのISGで12ps増強された40d

BMWの大型SUV、X7がフェイスリフトを受け大胆さを一層強めた。3.0L直列6気筒ディーゼルターボを積むxドライブ40dの最高出力も、340psから352psへ、僅かながら上昇している。その見た目へ歩調を合わせるべく。

ただし、この追加となった12psは、8速AT側へ搭載された電圧48Vで稼働するスターター・ジェネレーター(ISG)が生み出している。加速を僅かに鋭くすること以上に、エネルギー効率を高めるためという点が、現代的らしい。

BMW X7 xドライブ40d Mスポーツ(英国仕様)
BMW X7 xドライブ40d Mスポーツ(英国仕様)

まもなく、新しいBMW MモデルのSUV、XMが公道を走り始める。あちらはアグレッシブなスポーティさに重点が置かれているが、7シーターのX7は、洗練性や上質感に軸足がある。今回の小変更で、更にその特徴を強めたようだ。

今回のリフレッシュでは、フロントマスクへ大幅に手が加えられた。ヘッドライトが上下2段に分かれ、XMとは異なる性格付けと裏腹に、好戦的な容姿が与えられている。目つきはかなり鋭い。そもそも大きかったキドニーグリルは、拡大されていないが。

全体のスタイリングは、多くの人が指定するであろう、Mスポーツとのマッチングが良いと筆者は思う。ちなみに英国仕様には、エクセレンスと呼ばれる快適性志向のグレードも設定されている。

X7のキャラクターと調和する洗練性

ディーゼル・ターボエンジンはスポーティさと結びつきにくいものの、X7のような大型SUVの場合、魅力的な動力源であることに間違いはない。高速道路の合流車線で右足へ力を込めると、余裕のトルクであっという間に流れへ追いつける。

0-100km/h加速に必要な時間は、5.9秒。全長5181mmもある7シーターで、車重は2490kgあるが、怒涛のダッシュを披露する。1750rpmから発揮される最大トルクは71.2kg-mもあり、かつてのフェラーリ・エンツォフェラーリを凌駕する。

BMW X7 xドライブ40d Mスポーツ(英国仕様)
BMW X7 xドライブ40d Mスポーツ(英国仕様)

X7でもっと鋭い加速を味わいたいなら、別のパワートレインも用意されている。xドライブ40iを指定すれば、380psを発揮するB58型直列6気筒ターボエンジンが付いてくる。こちらでも、ISGによるアシストの恩恵がある。

これでご不満なら、M60iが控えている。同じくマイルド・ハイブリッド化された4.4L V8ツインターボガソリンが、530psを繰り出す。ここまでパワフルなSUVを求める人は限られると思うが。

B57型ディーゼルターボのxドライブ40dなら、12.0km/L前後という、大きさを考えれば悪くない燃費を得られる。驚くほど滑らかに回転し、サウンドもディーゼル特有のカラカラという賑やかさはない。

その洗練性は、X7のキャラクターとも調和できている。Mスポーツ・グレードであっても、快適で安楽に移動できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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