元日産GT-Rデザイナーが手掛ける軽量EVスポーツカー 7月中旬に実走行披露へ

公開 : 2023.07.10 06:05  更新 : 2023.07.12 17:40

名古屋のエンジニアリング会社エイムは、新型のEVスポーツカー・コンセプト「EV Sport 01」を英国の自動車イベントで走らせる予定です。デザインを手掛けたのはキューブやGT-Rで知られる中村史郎氏。

軽量EVスポーツ、英で実走行へ

日産自動車で長年チーフデザイナーを務めた中村史郎氏が、今週開催される英国最大級の自動車イベントで、コンパクトな2シーターEVスポーツカー「AIM EV Sport 01」を披露する。

1999年から日産のデザイン部門に在籍し、キューブキャシュカイ(デュアリス)、リーフGT-Rなどのデザインを監督してきた中村氏。2017年に日産の副社長を退き、現在は独立系のSNデザイン・プラットフォーム社を率いている。

AIM EV Sport 01
AIM EV Sport 01    エイム

名古屋を拠点とするエンジニアリング会社エイムのために開発されたEV Sport 01は、可能な限り魅力的なドライビングを目指したコンセプトカーだ。現在動的テストが行われており、7月13日に英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で走りを披露する予定である。

2基の水冷高性能電気モーター(後輪に2基)を使用し、最高回転数は1万rpmとされる。4つのパックに分割された81kWhのバッテリーから電力を得て、合計出力490psと最大トルク80.5kg-mを発生する。

車重1425kg で、0-100km/h加速は6.0秒以下を達成できると見込まれている。

ボディパネルとモノコックシャシーには軽量化のためにカーボンファイバーが使用され、ボディフレームの大部分はアルミニウム製となっている。

フロントとリアにはダブルウィッシュボーン・サスペンションが装備され、コーナリング時の操作性を最大限に高めているという。ホイールは直径20インチ。

エイム代表取締役社長の鈴木幸典氏は次のように語っている。

「エイムEV Sport 01が目指したのは、速くて運転が楽しいこと。EVは四輪駆動が主流ですが、このクルマの性格上、後輪駆動が必要でした」

「先進的な電気モーターシリーズを独自に開発したAIM EV Sport 01は、先進的なパワートレイン開発におけるAIMの専門知識を披露するのにも最適です」

エイムは現在、EV Sport 01の限定生産の可能性を検討しているが、これは世間からの温かい反応に後押しされたものと思われる。

そのデザインについて中村氏は、「過去の偉大なスポーツカー」から着想を得たとし、「誇張された複雑な表面」を避けたデザインは、1960年代の欧州や日本のスポーツカーを彷彿とさせると語った。

エイムは、同車両を自社開発のEVモーターの能力を示すショーケースとして使用しており、自社製モデルや他メーカーへの供給を目指している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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