ルノー・トゥインゴ・ダイナミックSCe70
公開 : 2014.10.10 23:40 更新 : 2017.05.29 19:22
乗り心地は快適そのもの。大方の路面状況においても高い順応性を期待できる。ステアリングは非常に軽い類ではあるけれど、コーナーで不安になることはないし、特に速度を保ちながらコーナーを抜けるようなシチュエーションでは自然と笑みが浮かんでくる仕立てだ。
もっとも力を発揮するのは市街地を走るとき。先述した軽いステアリングはとても扱いやすいし、群を抜いた最小回転半径のおかげで駐車はお手のもの。
1.0ℓのエンジンは市街地では快活に回ってくれるうえに、ガスペダルを強めに踏めば心地の良い音を聴かせてくれる。しかしこのエンジンこそ、トゥインゴの弱点でもある。市街地からひとたび外に出て50km/hよりも上の速度域に達すると、おっとりとし過ぎているのだ。
さらにそこから上の高速道路の速度域に達すると、必死にもがくような音に変わる。したがって車線変更をする際もうまく加速できる回転域を選ぶよう注意が必要だし、合流の際にも勢いを失わないように保ってやらなければならない。
またスタート-ストップ・システムをオフにしている際の、静止状態の振動も大きな欠点のひとつ。100個のマナーモード中の携帯電話のバイブレーションが一斉に作動した時のような、あるいは何人かの人が外からクルマを揺り動かしているのではないのかと疑ってしまうほどの激しい振動が生じる。状況を選り好みしすぎるスタート-ストップ・システムの、早急な改良を望む。