ポルシェ964型911の過激レストモッド シンガー「DLSターボ」 レース仕様は巨大エアロ装備
公開 : 2023.07.10 18:25 更新 : 2023.07.12 17:39
米国のシンガー社は1970年代の耐久レース参戦車両、ポルシェ934/5を記念した「DLSターボ」を発表しました。964型911をベースとするレストモッドで、ツインターボの3.8Lフラット6を搭載しています。
3.8Lフラット6ツインターボで700ps
米国のレストモッド企業シンガーは、ポルシェ911をベースとする新型「DLSターボ」を公開した。
DLSターボは、1977年のSCCAトランザム・レース・シリーズで8戦中6勝を挙げた、1970年代のワイドボディのポルシェ934/5を記念して製作された。
米カリフォルニアで開幕するモントレー・カーウィークと英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、2台のDLSターボが展示される予定だ。英国で展示予定の1台は、サーキット専用に作られたもので、ブラッドオレンジに塗装され、調整可能なリアウィングとフロントスプリッターが装備される。
米国で展示予定の車両は公道走行向けに設定され、塗装はモエブラン、リアにダックテールスポイラーを備え、フロントバンパーは控えめなものとなる。購入時には、この2台のいずれかの仕様を選ぶことができる。
DLSターボは964世代の911をベースとし、シンガーが過去に手がけた2つのモデル、ダイナミクス&ライトウェイト・スタディ(DLS)とターボ・スタディから得た経験を開発に活かしているという。
空力に最適化されたボディワークは、パワフルなエンジンを冷却するために設計されたもの。フロント中央のインテーク、ボンネットのエアダクト、リアフェンダーのインテークが採用され、ボディに設けられたナカ・ダクトがブレーキとターボチャージャーの冷却効率を向上させている。
3.8Lフラット6には2基のターボチャージャーが搭載され、それぞれに電動ウェイストゲートが備わっているほか、エンジンの冷却に水を、余分な熱の除去に空気を利用する方式が採用されている。
この改良の結果、最高出力700ps、レッドライン9000rpmを実現。このパワーは6速MTを介して後輪に伝達される。
シンガーのCEOであるロブ・ディキンソン氏は、次のように述べている。
「先進的な4バルブ、高回転型エンジンのターボチャージャーによる結果は非常に素晴らしいものであり、軽量化とビークルダイナミクスについて学んだことと組み合わせることで、ポルシェ934/5と、レーシングカーとしての911の創世記におけるその重要な役割を称える完璧なキャンバスを実現することができました」
DLSターボにはまた、交換可能なキャリパーを備えたカーボンセラミック・ブレーキディスクも装備され、ロードユースとサーキットユースを使い分けることができる。
フロント19インチ、リア20インチのアロイホイールにはミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2タイヤが装着される。
具体的な生産台数は明かされていないが、シンガーは「限定的」な台数を生産すると述べた。
画像 最高出力700psに魔改造されたポルシェ【シンガーDLSターボと、ベースとなるポルシェ964型911を写真で見る】 全34枚