愛された「スーパーミニ」 フォード・フィエスタ47年の歴史 1つの時代の終わり
公開 : 2023.07.22 18:05
初のモデルチェンジ
1983年、似たようなボディ構造を持ちながら、外観を大きく変えた第2世代(Mk2)が登場した。最も顕著なのは、ボディが丸みを帯びている点で、鋭角的だった先代よりも空気力学的に優れている。
他にも利点はあった。ボンネットラインが高くなり、オーバーヘッドカムエンジンの使用が可能になったほか、フロントエンドのクランプルゾーンが拡大されたのだ。
技術の発展
第2世代フィエスタの初期型は引き続きバレンシアエンジンを使用したが、第3世代エスコートでデビューしたCVHも初めて採用された。
また、5速トランスミッション、1.6Lディーゼルエンジン、さらには無段変速機(CVT)も導入している。
第3世代
1989年初頭、第3世代のフィエスタ(Mk3)が登場した。新しいプラットフォームをベースにしており、サイズアップしてトランク容量が大幅に拡大され、窓も大きくなった。また、ボディタイプには初めて5ドアが設定された。
エンジンはバレンシアとCVHが引き継がれたが、1992年にはフォード史上初の16バルブユニットである新型「ゼテック」(当初の名称はゼータ)が導入された。フォードはさらに、1.2L 3気筒2ストロークエンジンを搭載したプロトタイプを少数製作したが、量産化には至っていない。
ヒットチャート独占
フィエスタは常に人気を博してきたが、英国のSMMTの公表している数字によると、英国で最も登録台数の多い自動車になったのは1990年のことだ。第5世代エスコートに抜かれるまでの2年間、王座を維持した。
第3世代フィエスタは歴代で最も大きいが、英国の販売チャートでトップになった最小のクルマであり、初のスーパーミニでもあった。
速くなったフィエスタ
発売当初から、第3世代フィエスタにはXR2iが用意されていた。「i」は1.6L CVHエンジンが燃料噴射装置付きであることを示す。同エンジンは後に最高出力135psのRSターボ(写真)用にターボチャージャー化され、フィエスタ初のRSが誕生した。
RSターボは、1992年に最高出力132psを発生する燃料噴射装置付きゼテックエンジンの1.8Lバージョンを搭載したRS1800に取って代わられた。
第4世代
1996年に登場したフィエスタ(Mk4)は、プラットフォームこそ先代のものをわずかに変更した程度であったが、フロントエンドのスタイリングが非常に奇妙で、少しばかり物議を醸した。エンジンは、1.25L、1.4L、1.6Lの各排気量が用意された新しいゼテックSE(シグマ、後にデュラテックとも呼ばれる)を採用。
同車はマツダ121としても販売された。また、先代が依然として人気を博していたため、そちらもフィエスタ・クラシックとして生産が続けられた。