愛された「スーパーミニ」 フォード・フィエスタ47年の歴史 1つの時代の終わり
公開 : 2023.07.22 18:05
大規模フェイスリフト
第4世代フィエスタ(Mk4)は、大規模なフェイスリフトを受けて顔つきが一変した。フォードが新しい「ニューエッジ」のスタイリングを採用したのは1999年末のことで、この時点でフィエスタは英国の年間販売チャートの首位から3年間転落していた。
しかし、この転落は非常に印象的なフォード・フォーカスの登場によるところが大きい。それでもフィエスタは、スーパーミニ・クラスの中でも例外的な人気を誇っていた。
新世紀のフィエスタ
次のフィエスタ(Mk5)は2002年初めに発売された。当初は5ドアしかなかったが、同年末にはクーペに近い外観の3ドアも設定された。2005年にはマイナーチェンジが行われた。
また、フュージョンとして知られる、より背が高くて広い小型ミニバンの派生モデルもあったが、これは後の米国フォードの同名モデルとは何の関係もない。
フィエスタSTとゼテックS
この世代(Mk5)で最もパワフルなモデルは3ドアのST(写真)で、最高出力150psを発生する2.0Lエンジンを搭載している。
STに施されたスタイリングのアップグレードはゼテックSにも適用された。最高出力90psの1.6Lターボディーゼルを搭載したゼテックSは、STに比べて大幅に遅いが、ランニングコストは大幅に安い。
大衆へのアピール
2008年に生産が開始されたフィエスタの成功は、これまでの人気をもってしても計り知れないものだった。発売初年度に英国の年間登録台数ランキングで首位を獲得し、以後2020年まで毎年首位を独占した。世界的な金融危機の影響もあり、2007年に第2世代フォーカスが達成した登録台数12万6928台を上回るには時間がかかったが、2013年には13万3434台を達成した。この数字は近い将来に破られることはないだろう。
新型車のベースとなったグローバルBプラットフォームは、Bマックス、エコスポーツ、Ka、プーマ、トランジット・クーリエ、インド市場向けのフィーゴにも使用されている。
3気筒の登場
2013年には1.0L 3気筒エコブーストエンジンが導入され、フィエスタに搭載されるエンジンとしては957ccのバレンシア以来の小排気量ユニットとなった。
エコブーストエンジンは、モンデオなどさまざまなモデルにも採用されている。2012年から2019年までほぼ毎年、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー賞の総合優勝とクラス優勝を獲得した。最も極端な形では最高出力140psを発生するが、標準的なフィエスタでは史上最高出力の1つである。