1970年代のクラシックカー「NSUプリンツ4」 最高出力240psのEVとして復活 アウディ

公開 : 2023.07.11 18:05

アウディはドイツ・ネッカーズルムでの150年の歴史を記念し、かつてNSUが生産していたプリンツ4をEVとして蘇らせました。

ネッカーズルムでの150年の歴史を記念

ドイツにあるアウディのネッカーズルム工場設立150周年を記念して、1971年のNSUプリンツ4がEVに生まれ変わった。アウディの12人の見習いグループが制作した。

「EP4」と呼ばれるこのクルマは、2020年のアウディeトロンから最高出力239psの電気モーターをリアに移植し、PHEVのQ7 TFSIeに使用されているバッテリーをフロントに搭載している。バッテリーを収めるボンネットはカーボンファイバー製だ。

NSUプリンツ4をベースとしたアウディEP4
NSUプリンツ4をベースとしたアウディEP4    アウディ

1971年のNSUプリンツ4は、大掛かりな近代化が施されたものの、フロントライトとリアライトの位置、ショルダーラインやルーフラインはそのまま維持されている。

従来の2気筒ガソリンエンジンよりも210psほどパワフルな電動パワートレインに対応するため、随所に改良が加えられた。

主な変更点は冷却の改善だ。バンパー下部の大きなイエローのインテークから空気が入り、ボンネットの開口部から熱気を排出する。電気モーターのオーバーヒートを防ぐため、テールゲートも半開きに固定できる。

さらに、フロアパン、ブレーキ、アクスルはアウディA1から流用され、その上に大幅にワイド化されたボディ、ワイドホイール、パフォーマンスタイヤが装着された。

リアでは、鮮やかなイエローのウィングがボディではなくロールケージに取り付けられている。ボディはアウディのスズカグレーとブリリアントブラックで塗装され、ドアには「150」のレタリングが施されている。

インテリアはミニマルな設計だ。リアウイングと同色にペイントされたロールケージを除けば、レカロ製のバケットシートと、スピードメーターとオンボードコンピューターを表示するデジタルメーターが装備されている。

このプロジェクトに参加した見習いの1人、ディーン・シェフラー氏は「速くてカッコイイだけでなく、この場所(ネッカーズルム工場)の150周年を称えるようなクルマを作りたかった」と述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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