■どんな感じ?

とんでもなく洗練されている。他のグレード同様にきわめて静かなクルーザーだ。速度を増していけばわずかながらにエンジン音がキャビンまで聞こえるようになるけれど、ロードノイズやウインドノイズといった苛立ちの原因は最小限に押さえ込まれる。市街地の速度では ’静まりかえっている’ と表現するのが適切なほど。

ディーゼルやガソリン版に比べるとマイルドな硬さを持っていることを見抜く向きもあるかも知れないが、直後に他のライバルをも軽々と凌ぐしなやかさに驚かされるはずだ。アウディA4を窮地に陥れ、トヨタ・プリウスを葬り去るレベルである。

しかし2.0ℓターボディーゼルほど敏捷ではなく、ペースを挙げれば色彩に欠ける点は減点ポイント。駆動源とCVTの相性も良くはなく、実際の速度よりも、エンジンの回転の方が先走っているような感覚を与える。クラッチが滑っているとも言うべきか。

ただしハイブリッドだからと言って室内空間が狭くなっているということはなく、他のグレードと同様にたっぷりとした空間は確保されている。キャビンの質感や装備は、過去のフォードを大きく超えている。