「タイプR」のi-VTECで最高出力405ps 過激な軽量スポーツモデル、アトム4R登場

公開 : 2023.07.14 18:05

ホンダ・シビック・タイプRの2.0L直4 i-VTECを移植し、最高出力405psに強化したアリエル・アトム4Rが発売されました。サーキット走行に特化し、0-97km/h加速はわずか2.7秒とされます。

ホンダ製エンジンの2シーター・スポーツ

英国のスポーツカーメーカーであるアリエルは、7月13日に開幕した英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、最新モデルのアトム4Rを発表した。

新型アトム4Rは、ホンダ・シビック・タイプRに搭載される2.0L 4気筒i-VTECエンジンを流用し、自社でチューニングを施して出力25%アップの最高出力405ps、最大トルク51.0kg-mを発生する。

アリエル・アトム4R
アリエル・アトム4R    アリエル

これにより、既存のアトムV8(最高出力480ps)に次いで、アトム史上2番目にパワフルな市販モデルとなり、4気筒エンジンとしてはアトム史上最速となった。

エンジンのパワーアップは、主に冷却システムとインタークーラーシステムの改良によって実現された。インタークーラーは、従来車とは異なる巨大な吸気サイドポッドを特徴とする。

3種類のターボブースト・モードを備えており、0-97km/h加速はわずか2.7秒、0-160km/h加速6.5秒以下、最高速度は273km/hとされている。

新開発のクアイフ製6速シーケンシャル・トランスミッション(パドルシフト付き)を採用し、クラッチを使わずにフルスロットルでシフトアップが可能で、5回のシフトダウンを1秒以内に完了することができる。

アリエルによれば、アトム4Rは「劇的」なインギア加速タイムとサーキットでのパフォーマンスを持つという。オプションのフロントウイングとリアウイングを装着することで、エアロダイナミクスを強化することもできる。

アリエルのヘンリー・シーバート=ソーンダース取締役は、次のように語っている。

「わたし達は、公道でもサーキットでも、究極のドライバーズカーとしてアトムを進化させる努力を続けています」

「4Rは、素晴らしいアトム3.5Rの足跡をたどり、再びストーリーを加速させます。これは本当に驚くべきクルマであり、わたし達はそれを誇りに思います」

サスペンションは、標準車と同じプッシュロッドシステムを採用するが、アトム4R専用にバルブが調整されたオーリンズ製TTX36ダンパーが装着され、公道用またはサーキット用のオーリンズ製スプリングが選択できる。

ブレーキとしては、カーボンセラミックディスクとアルミ削り出しベル、APレーシング製4ポットキャリパーを採用。これによってブレーキ性能が向上し、ブレーキフェードに対する高い耐性と摩耗の低減を実現しているという。ディスクの重量は、標準的なアトムの半分以下とされている。

専用デザインのカーボンホイールは、バネ下重量の軽減に貢献し、ブレーキと合わせて標準車より26kgの軽量化を実現した。また、アトム4Rにはアリエル初となる12段階のスイッチャブルABSが採用されている。

アリエル・アトム4Rの価格は、英国の付加価値税抜きで6万4950ポンド(約1170万円)から。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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