マニア垂涎のラリーカーにオマージュ MG EX4 最高出力435psのEVホットハッチ

公開 : 2023.07.15 06:05

1980年代に活躍したラリーカー、MGメトロ6R4へのオマージュとなるEVコンセプトカー「MG EX4」が公開されました。個性的なカラーリング、巨大なエアロ、最高出力435psのデュアルモーターを誇ります。

過激エアロのEVホットハッチ

SAIC傘下の自動車ブランドであるMGは、7月13日に開幕した英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023において、往年のラリーカーへのオマージュとなるEVコンセプト「EX4」を公開した。

EX4は、新型MG4 Xパワーをベースに製作されたコンセプトカーで、最高出力435psのデュアルモーター・パワートレインを採用。MG4 Xパワーの公道向けモデルは0-100km/h加速3.8秒とされている。

MG EX4コンセプト
MG EX4コンセプト    AUTOCAR

大型のリアスポイラーやフロントウイング、ワイドボックスのホイールアーチは、1980年代のMGメトロ6R4を彷彿とさせるものであり、標準のMG4とは大きく異なるスタイリングとなっている。

このようなデザインがMGの市販車に反映される可能性は低いが、歴史的によく知られたパフォーマンスモデルへのコミットメントを示唆している。

例えば、「Xパワー」というサブブランドは、2005年にXパワーSVが廃止されて以来、母国の英国市場からは姿を消していた。しかし、中国ではMGのアイコンの一部として使われ続けている。

オリジナルのMGメトロ6R4は、世界ラリー選手権のグループBに挑戦することを目指し、1980年代初頭に開発された。1981年2月にウィリアムズ・グランプリ・エンジニアリングとの共同開発が開始されたが、小柄なMGメトロをベースとしたため難航し、ラリーに参戦したのは1984年3月のことだった。

完成形は1985年11月のロンバードRACラリーでデビューを飾り、特別に開発された大排気量V64Vエンジンを搭載して表彰台を獲得した。しかし、その表彰台の頂点に立ったのは、同じくデビューを飾ったランチア・デルタS4だった。

メトロ6R4は国際的な舞台では常に劣勢に立たされたが、英国内の競技会やラリークロスではカルト的な人気を博した。

ウィル・ゴロップ氏が1980年代後半から1990年代前半にかけて、改良型6R4(ツインターボを装着し、2.3Lに小排気量化)を欧州ラリークロス選手権で走らせ、1992年にトップの座を獲得したのは有名な話だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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