VW構造に「米国らしさ」注入 新型フォード・エクスプローラー 欧州で実車公開
公開 : 2023.07.14 18:25
欧州フォードの最も重要な1台とされる新型エクスプローラーが、英国で一般公開。VWグループのMEBプラットフォームを使用した次世代EVで、アメリカン・スピリッツの表現を追求しています。
フォードの新時代SUV
フォードは、7月13日に開幕した英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023で、欧州向けの新型EV「エクスプローラー」を公開した。
新型エクスプローラーは、フォードのアメリカン・スピリットを受け継ぎながら、欧州市場に焦点を当てた電動SUVである。フォードのケルン工場で2023年半ばから生産が開始される予定で、今回のグッドウッドでは実走行を披露した。
全長4460mmと、クラスとしてはコンパクトSUVとミドルサイズSUVのほぼ中間に位置するサイズで、ジープ・アベンジャーやミニ・エースマン、ヒョンデ・アイオニック5、スコダ・エンヤクiVまで、あらゆる車種と競合することなる。
欧州における重要な新製品であり、これまでのフィエスタ、フォーカス、モンデオとは一線を画す「アメリカンネス(American-ness、米国らしさ)」をコンセプトに、新しい設計思想を採用したEVである。
欧州フォードの責任者であるマーティン・サンダー氏は、「フォードの真のDNAに少しフォーカスを当て、そのルーツに立ち返れば、フォードは欧州でビジネスを続けている唯一の米国の象徴的な自動車会社となります。ブランドを再ポジショニングし、このDNAを軸に新しい体験の世界を創造する大きなチャンスになると思います」と話す。
VWのMEB構造を初採用
エクスプローラーは、フォルクスワーゲンのEV用プラットフォーム「MEB」をフォードとして初めて採用した。フォードによると、フォルクスワーゲンのID.3とID.4の中間に位置するサイズを選択したのは、この2車種と直接競合することを避けるための意図的な決定だったという。
最もパワフルな仕様では、前後アクスルにモーターを搭載して四輪駆動とし、合計出力340psと最大トルク55.5kg-mを発揮する。現在販売されているMEBベースのどの市販車よりも強力で、0-100km/hのタイムは6.0秒以下となる。
また、後輪駆動モデルでは170psと286psの2種類の出力が用意されている。
バッテリーについてはまだ詳細が明らかにされていないが、最も脚の長い「マックス」仕様で最大500kmの航続距離を目標としている。エントリーモデル向けの52kWhバッテリーと、アウディQ4 eトロンで航続距離508kmを謳う77kWhバッテリー(いずれも170kWの速度で充電可能)が用意されるのではないかと予想される。
フォルクスワーゲン・グループのプラットフォームを使用するものの、エクスプローラーは「米国ブランド」を前面に押し出している。エクステリアデザイン・マネージャーのジョーダン・デムキウ氏は、「わたし達は米国企業であり、そのことを強調したい」と語っている。