VW構造に「米国らしさ」注入 新型フォード・エクスプローラー 欧州で実車公開
公開 : 2023.07.14 18:25
アメリカン・スピリッツ
エクステリアデザインにおいて、エクスプローラーは欧州フォードの新時代の旗手とされる。欧州デザインスタジオの責任者であるアムコ・リーナーツ氏は現在、同市場向けの全車種のデザインの見直しを進めている。
乗用車はまず、「アドベンチャラス・スピリット」の旗印の下に規定された4つのデザインの柱に従って分類されることになった。ブロンコのようなオフロード車は「アルティメット・アウトドア」、マスタングのシリーズは「ワイルド・パフォーマンス」、都市部に特化したプーマは「アーバン・エスケープ」、そしてクーガやエクスプローラーのような家族向けSUVは「アクティブ・アドベンチャー」に振り分けられる。
リーナーツ氏はAUTOCARの取材に対し、新型エクスプローラーは従来のエクスプローラーとは明らかに異なる製品であるが、同じキャラクターを体現することが重要であると語った。「アドベンチャラス・スピリット(冒険心)を表現する最初のクルマであることは、驚くことではないと思います。このクルマは、フォードの冒険的な精神を伝えるのに適したポジショニングを持っています」
さらに、フォードは他の歴史的な車名を再展開し、新製品にブランドのレガシーを付与していくことを検討中だという。「新しい領域にネームプレートを持ち込むことは、世間一般に好まれていると思います」
「それが狙いです。顧客のニーズを考慮しながら、よりクリエイティブな方法でネームプレートを拡張することができるのです。そして率直に言って、マスタングではそれができましたし、エクスプローラーでも可能であることが証明されました」
リーナーツ氏は、今後どの車名が使われることになるのか具体的な言及は避けた。今回のエクスプローラーだけでなく、プーマやマスタング・マッハE、ブロンコなど、すでに多くの「銘板」が復活を遂げている。
空力効率と実用性重視
エクスプローラーのアップライトな2ボックス・シルエットは、人気の高いブロンコやF-150を意識したものであることは明らかだが、シニアデザイナーのリヴィウ・テュドラン氏は「あらゆる技法」を駆使して、空力的な効率と室内空間の確保を目指したと言う。
テュドラン氏によれば、新しいエンブレムを備えたフロントエンド、車両全体を包み込むベルトライン、「寛大」なホイールアーチ、ブラックのピラーでコントラストを効かせたフローティングルーフなどが、新型車の特徴であるとのこと。
ボンネットの下には収納がないが、プーマと同様、トランクフロアの下に「秘密」のロードベイを備えており、またフロントシートの間にある容量17Lの「メガコンソール」は、市販車では最大級の収納ボックスだ。トランク容量はマスタング・マッハEよりも大きい450Lで、シートを倒せば1400Lに拡大できる。
フォードのチーム・エジソン部門で電動化車両開発を担当するウルリッヒ・コースターズ氏は、フォーカスの所有者がEVに乗り換える際には、エクスプローラーの広いキャビンが注目されるはずだと述べた。「彼らは、今までと同じかそれ以上の機能性と、小さなサイズ感を求めるでしょう。このクルマは少し背を高くしていますが、パッケージング効率に優れているので、乗員のためのスペースが広くなっています。リヤのショルダールームやニールーム、フロントのスペースも広くなり、荷室も改善されています」
15.0インチのポートレート型タッチスクリーンは、フォードのインフォテインメント・プラットフォーム「Sync」の最新版を搭載し、角度を変えることが可能だ。スクリーンを傾けると、センターコンソールに肘をついて、よりリラックスした姿勢で使用できるという。
ほとんどの主要機能はスクリーンで制御し、使用頻度の高いクライメートコントロールのインターフェースは常時表示される。また、バイブレーション機能を持つボリューム調整用タッチスライダーなど、使いやすさに配慮した物理・触覚コントロールが装備されている。